チェロとDJが開発する、音の新領域
令和6年度京都市芸術文化特別奨励者・中川裕貴の最新作を京都で!
チェロを主体として作曲・演奏・演出活動を行う音楽家/演奏家の中川裕貴による約4年ぶりとなる新作コンサート「弭(ゆはず)」を開催します。
弭という文字は「ゆはず」と読み、弓道などで用いる弓の両端にある「弦(つる)をかける場所」のことを指します。
このコンサートはその文字通り、弓と耳という2つの側面、そしてそれに関係する「チェロ」が中心に添えられ、ヒトの声に近い成分をもつと言われる楽器から、さまざまな「声」を、「弓」が引き出し、観客の「耳」に届けます。
また今回のコンサートでは新たな試みとして、会場に「DJ(ディスクジョッキー)」がいます。
録音物を収集、吟味、推敲し、混ぜ合わせ、再構築し、ターンテーブルとCDJを複数台掛け合わせて複雑なサウンドコラージュを目指す「1729」は、DJの中でも異端かつ、誰もが説明に困る奇妙で曖昧な存在であるかもしれません。彼女は2022年まで"威力"名義で活動し、現在はクラブシーンのみならず、YCAM(山口情報芸術センター)や九州大学音響特殊棟などに活動の幅を広げ、「聴く」ことの根源的な領域にアクセスするようなパフォーマンスを行っています。
今回はこのDJとチェロという「両端」によって、何かを「かけ」ます。
さらに中川のコンサートにこれまでも数多く出演し、演奏やパフォーマンス、そして意味の「下限」を浮き沈みさせるような「行為」を続けてきた出村弘美、穐月萌も参加。この4人の持つ要素が絡み合いながら生まれる時間と空間は、タイトルである「弭(ゆはず)」という音をズラした「いわず」と、そこから派生する「静寂(サイレンス)」の現在進行形の「かたち」が提示されると同時に、私たちが生きるこの時代のありさまが照らされることになるでしょう。
作曲、演奏、演出:中川裕貴
DJ:1729
出演:中川裕貴、出村弘美、穐月萌、1729