presented by KACCO
京都市文化芸術総合相談窓口(KACCO)では、文化芸術活動の支援を助成金・補助金に求める方からの問い合わせや相談を日々お受けしています。よくある質問とその答えをまとめてみました。
質問一覧
🔍 支援プログラムの情報はどうやって見つける?
KACCOウェブサイトの「支援情報」ページ、Facebook、Twitter、メールニュース(月2回程度)で支援プログラムの情報を発信しています。メールニュースの登録はこちらから。
支援プログラムの情報を発信しているウェブサイト [例:アートマネジメント総合サイト「ネットTAM」 (助成情報) / コンテスト情報サイト「登竜門」(公募、アワードなどの情報) / 京都市市民活動総合センター・市民活動情報共有ポータルサイトの「助成金・補助金・融資・アワード・コンテスト情報」ページ(主に非営利団体向けの情報)] を活用しましょう。
🌱 いつぐらいから準備すればいい?
毎年秋くらいから、その翌年度に行われる事業への助成の公募が始まることが多いです。「前年度8〜11月頃」に情報をチェックするようにしましょう。開催年度になってから探すとかなり選択肢が狭まります。ただし、行政が主体の支援制度は、予算の成立が前提になるため、開催年度が始まってからの公募になることもあります。4月後半〜5月前半くらいにも改めて情報をチェックするようにしましょう。
❓ どの支援プログラムが、自分が申請対象に当てはまるのか、わからない
事業内容によって申請対象かどうかが異なります。事業のジャンル(美術、舞台芸術、音楽 等)や種類(展示、上演、研究、出版 等)、主催、時期、予算規模、何のお金が足りないのか、ジャンル などを書き出して、気になる支援プログラムの要項をよく読み、対象に当てはまるかどうかを照らし合わせてみましょう。
申請を検討している支援プログラムの過去の助成実績をチェックしたり、類似の事業が得ている支援を、その事業のフライヤーやWebサイトなどからチェックしたりしてみることも、自身の事業と親和性が高いかどうかの判断材料にできるでしょう。
活動資金の支援の求め方は、支援金額や内容が決まっている既存の支援プログラムに応募するほかに、自ら支援者に働きかけて資金を集めるという方法もあります。その場合、支援者が税制優遇を受けられる「助成認定制度」や、ファンを獲得しながら活動資金を集めるクラウドファンディングの仕組みが活用できるでしょう。自分が望む支援のかたちや、事業内容や規模に合わせて検討してみることをお勧めします。
🔖 どういう点が評価されるの?採択されるコツは?
助成元の趣旨・テーマに即しているかが最も重要なポイントです。募集要項をよく読み、どのような点を重視しているかをしっかり確認しましょう。
申請する事業のどのような部分が、要項と合致しているかを、具体的にアピールしましょう。例えば、「実現性」が重視されているなら、予算計画やスケジュールが合理的なものかどうかが大事です。「独自性、先進性」が重視されているなら、過去の事業や類似の事業とどんな違いがあるか、どの部分がオリジナルなのかが分かりやすく書かれている方が良いでしょう。
これまでの活動実績は、申請内容につながる活動に重きをおいて書きましょう。支援プログラムの目的に沿わない実績に紙幅を割いても、助成元が求める実績の証明とは見なされない恐れがあります。
✏️ 申請書の書き方がわからない
支援プログラムによっては、記入例が公開されています。助成元が「このように書いてほしい」というメッセージとも言えますので、しっかり確認してから書きましょう。記入例は要項と併せて載っていることが多いです。他の申請書を参考に書いてみるのもお勧めです。
説明会・相談会を開催していたり、問い合わせを受け付けている支援プログラムもあります。積極的に活用しましょう。
アートマネージャー・ラボ「申請書の書き方 公開相談会」など、解説動画の視聴もお勧めです。
🚑 KACCOは申請書を書くサポートをしている?
KACCOでは、相談者が作成した申請書を見て、気になった点をコメントし、申請書をブラッシュアップするお手伝いをしています。ご希望の方はお問い合わせください(注:「まだできていない状態から一緒に書く」「相談者の代わりに書く」ことはしていません。あらかじめご了承ください)。
🌀 ぎりぎりまで申請書の内容を推敲すべき?
第三者に客観的な視点で申請書を見てもらうことは、自分では気づかなかった漏れや、もっとアピールできる点などに気づくことができる大事な機会です。ぎりぎりまで書きたいから人に見せる時間がない...というよりは、第三者に見てもらう時間も必要な申請過程のひとつと考えて、ぜひ知人友人、活動の仲間などに見てもらうことをお勧めします。
✨ 申請書ではコンセプトを重点的に説明すべき?
プロジェクトの魅力を伝えるために、事業の経緯やコンセプトの説明に多くの紙幅を割きたくなりがちですが、助成元にとっては、具体的に何を行うのかという事業の説明が重要です。「アーティストステートメント」と「事業の説明」は切り分けて考えましょう。
コンセプトを明確にする一方で、実施スケジュールや予算などを明記することで、実現性が高いことを伝えられます。コンセプト説明の比重が大きくなる場合は、補足資料などをつけるとよいでしょう。(※資料添付の可否や枚数制限については、それぞれの支援プログラムの要項を確認してください)
コンセプトの分量が多くなる場合、課題、目的、背景、など申請書に記載する他の項目内容と重複していないか、項目ごとのポイントを確かめてみましょう。
💰 予算の書き方がわからない。まだ決まってないし、変わるかもしれないから、ざっくりしか書けない
予算書は費目に沿って、算出根拠(内訳)をできるだけ具体的に書いておくと、実現性の判断につながります。また、予算とスケジュールと事業内容を連動させておきましょう。
収入額と支出額は金額を必ず揃えましょう。
助成元に提出する報告書を想定して記載すると、採択後も予算に沿った実施がしやすくなります。なるべく具体的にリストアップしてみましょう。
助成金によって対象経費、対象外経費の区別があるので、各費目がいずれに当てはまるかを見分けて記載をします。
自己負担額や負担割合についての記載枠があれば、記入しましょう。他団体からの助成(予定)があれば記載しておきます。
👀 書く時に気を付けることは?
「わかりやすい、読みやすい文章を心がける(審査に関係する人がその分野の専門家でない場合もあるので、一部の人にしか伝わらないような表現は避ける)」「実施後の状態をイメージする・結果を意識する」「助成金を出す側・審査員の目線で考える」「第三者にチェックしてもらう」「締切には余裕をもって提出する」の5点を意識して書くことをお勧めします。
書式に沿って必須項目が記入がされているか、質問の趣旨とズレがないか、提出書類に抜けや不備がないかを確認します。
実績などは、数値等を用いて客観的な記載をすることもポイントです。
フォント、文字の大きさ、太字・下線など、指定がない場合には指定枠内での見せ方を工夫しましょう。
主催者が提供する記入例や説明会があれば活用しましょう。見落としが多い点なども知ることができます。
💨 1回落ちたら、もうその支援プログラムは受からないもの?どんどん別のプログラムにチャレンジすべき?
1回不採択となっただけで、その支援プログラムにもう可能性がないと考えるのは気が早いです。申請内容は審査員の記憶に蓄積され、今回は惜しかったけれど、次回、または他の機会なら採択に相応しい、と気に留めてくれている可能性もあります。申請したいプログラムと要項が合致するようであれば、次回以降もぜひ続けて応募してみることをお勧めします。
申請先によっては、不採択理由や助言をもらえる場合もあるので、問合せてみて、フィードバックを得て次回以降に活かすのもよいでしょう。(支援プログラムによっては、「問合せには回答しない」等と明記している場合もあるので、要項などを確認してください)
KACCOをご活用ください
京都市文化芸術総合相談窓口(KACCO)は、京都市が設置した文化芸術に関する総合相談窓口です。相談を受けるだけではなく、創作の現場からできることを考え、文化芸術に関わる人のよりよい環境作りを目指しています。2022年度はフリーランスのアートマネージャー、舞台制作者、キュレーター、アーティスト、ミュージシャン等が相談員を担当しています。助成金・補助金申請にまつわるお悩みもお気軽にご相談ください。
https://www.kyotoartsupport.com/