南座のルーツは江戸時代初期(慶長年間1596-1615年)までさかのぼります。慶長八年(1603年)に京市中において出雲阿国がかぶき踊りを披露して衆目を集める一方、芝居町として発展してきた京四条河原が民衆の熱気と賑わいであふれかえる中、南座はこの地で誕生し、以来400年を超えて歌舞伎をはじめとする多彩なジャンルのエンタテインメントの中心であり続けました。
明治39年(1906年)白井松次郎、大谷竹次郎兄弟の松竹合名会社が南座の経営に当たります。そして大正2年に改築。さらに昭和4年、由緒ある櫓を備えた桃山風破風造りの典雅な劇場を竣工させ、以来激動の昭和期を通し京阪の代表劇場として多様な演目を取り上げました。とりわけ京の年中行事となった歳末の吉例顔見世興行は戦中も一度も絶えることなく、古来よりの吉例を重んじながら、その歴史に新しい頁を加え続けて参りました。
平成3年(1991年)、松竹株式会社会長永山武臣により、京都の歴史的景観にとけこんだ建物はそのままに内部設備を一新した最新設備の近代劇場として改修され、同年11月新装開場記念 吉例顔見世興行によって平成の南座が新たに幕を開けました。
平成8年(1996年)、国の登録有形文化財に登録され、その後京都市の歴史的意匠建造物にも指定されています。
平成28年(2016年)2月より、2年以上にわたる耐震補強大規模改修工事を経て、平成30年11月吉例顔見世興行をもって再開場いたしました。
南座外観 Ⓒ松竹
南座内観 Ⓒ松竹