渡邊あ衣は、創作活動によって「自分の存在を確認している」と言う。なぜ確認しようとするのか。他人と接することで内面的に成長するヒトという動物にとって、外部からの刺激をかきわけて自分をみつめることは、案外難しい。自己を見つめることは、決して内向的な行為ではなく、他人ときちんと向き合うための‘装備’かもしれない。
渡邊の作品には、素直に自己と向き合い、それを鑑賞者へ解放するという2段階のプロセスがある。単に自由奔放な作品ではく、大事なことを忘れてしまった大多数の大人達へ、他人事とは思えない感覚を呼び起こさせる作品である。
カフェスペースから自然と足を踏み入れられる会場。渡邊あ衣のインスタレーションで生まれ変わる空間をお楽しみください。
■artist's statement
『描く』という行為は 自分にとって、そこに自分が居たという痕跡を残す行為である。
そして その痕跡を見て、自分で自分の存在を確認する。
自分の内側の自分、外に広がって行く自分
目には見えない 自分の居た時間や空気を確認したい。
作家ウェブサイト: http://watanabeai.com/