In Front of Behind 〜 インゴ・バウムガルテン+鈴木崇

ジャンル
  • 美術
形 態
  • 展覧会
HRDファインアートでは、2025年の最初の展覧会として、2月8日から3月29日までの会期で、韓国ソウル在住のドイツ人美術作家、インゴ・バウムガルテンと京都出身・在住の美術作家、鈴木崇による二人展「In Front of Behind」を開催いたします。

インゴ・バウムガルテンは1964年ドイツ・ハノーファー生まれ。カールスルーエ芸術アカデミー、パリ高等造形美術学院などで学んだのち、1999年に東京芸術大学大学院にて修士号を取得。2008年からは韓国ソウルのホンイク(弘益)大学の美術学部で教鞭を執るかたわら、絵画を中心とした制作活動を精力的に展開しています。

鈴木崇は1971年京都出身。米国ボストンのアート・インスティテュート・オブ・ボストンを卒業したのち、ドイツ・デュッセルドルフのデュッセルドルフ芸術アカデミーで学び、トーマス・ルフやトーマス・シュトゥルートなどのドイツ現代写真の作家たちから薫陶を受けます。現在は京都を拠点に活動を行い、その作品は東京国立近代美術館や京都国立近代美術館にも所蔵されるなど高い評価を受けています。

バウムガルテンの作品は、建築物とそのフォルムやカラーを中心的な主題としています。特に近年は拠点としている韓国の独特な都市景観や建築にフォーカスを当て、リアリズムをベースとしながらもどこか幻想的な感覚を湛えた絵画作品を数多く制作しています。その作品からは、ありふれた、陳腐なものの中に「美」を見出すような意識に関わる思考も引き出されるでしょう。

鈴木の作品は、写真を表現媒体としながらも従来的な写真表現から自由に逸脱する多彩な表現を展開しています。それらの作品は、近年特に幾何学的な形態への関心が強く感じられ、イメージが持つ象徴性や意味性、そしてそれに対する人間の認知に関する問いが様々な角度から投げかけられています。

本展は、図像や形象そのものに対する関心を強く持つ2人のアーティストの作品を通じて、「見えているもの」と「その背後にあるもの」との関係性にまつわる新鮮な視点を提供します。また、日本を経由して韓国にたどり着いたドイツ人ペインターと、アメリカとドイツで写真を学んだ日本人アーティストという、奇妙にクロスオーバーするような背景とキャリアを持つ2人のアーティストの作品から、東洋と西洋、写真と絵画という二項対立的テーマへのアプローチを試みる展覧会でもあります。ぜひご高覧ください。

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アーティストからのメッセージ

私の制作は、自らを取り巻く環境を認識することからスタートしている。現在のそれは韓国、特にソウルという都市だ。私は社会の変容に関心があり、その変容が都市景観にどのように反映されているか、そしてそれが機能性と外貌の関係性としてどのように表出しているかに関心がある。その意味においては、よく知られたランドマークや観光名所などにはあまり興味が湧かない。通常であれば見過ごされてしまうような、ありふれた、典型的な場所や背景、いわば「背後」にあるもののほうに惹き付けられる。

私の絵画は、こうした思考を反映したものであると同時に、自律的な美的価値をも備えたものとして成立させたいとも考えている。構図と色彩を通常の視点から少しずらすことによって
(インゴ・バウムガルテン)

ものには必ず形がある。形が分からないものを想像することは難しい。

私にとっての写真とは、目に見えている世界を切り取り、 元あったものとは違う形と意味を与える行為であり、 写真で撮ったそのイメージを見ることは、新たに与えられた形を見てその意味を探ることなのだと思っています。
(鈴木崇)

イベント情報

日時
2025年2月8日(土)~ 2025年3月29日(土)
木曜日 11:00〜15:00
金・土曜日/2月9日(日) 11:00〜19:00
毎週日〜水曜休み
(事前アポイントにより観覧可能)
※2月9日(日)はオープン
場所
[上京区]
HRDファインアート
京都市上京区上御霊竪町494-1

地下鉄烏丸線「鞍馬口」駅下車 1番出口より徒歩1分
(上御霊神社北隣、鳥居に向かって左へ約50メートル)
料金
無料
URL
http://hrdfineart.com/exb-infront25.html
問合せ先
HRDファインアート
info@hrdfineart.com
090-9015-6087
※内容は変更になる場合があります。詳細は各イベント主催者にお問い合わせください。
※チケットや申込みが必要なものは、売り切れあるいは定員に達している場合があります。ご了承ください。