今回の特別展は「立涌文様」を取り上げます。この立涌とは、雲気(水蒸気)が立ち上がる状態に見立て、並列する2本の線の中央がふくらみ両端が細くなった形をした文様のことです。そこから、運気上昇の意味が込められ、縁起が良いとされています。
当社では、この立涌文様を帯や室内装飾織物などに多く用いてきました。文化館の所蔵する明治~昭和期の図案や試織から、選りすぐりの文様をご紹介致します。
柔らかさも力強さも感じる一種の様式化された立涌の中に、唐草や菊、波など
様々な自然のモチーフが組み合わされていきます。その豊かな表現や時代の流
行に見る、ゆらめく世界をお楽しみください。