1887年、帝政ロシア領のヴィテブスクに生まれたユダヤ系の画家マルク・シャガール。妻を一途に愛し、愛や結婚をテーマにした作品を多く残したことから、「愛の画家」として知られています。サンクトペテルブルグで美術を学んだ彼は、1911年憧れのパリに赴き、キュビズムをはじめとする新しい傾向に触れます。その後、故郷に帰り、1915年ベラと結婚します。再びパリへ戻りますが、第2次世界大戦中に渡米し、そこで最愛の妻ベラを亡くします。悲しみを乗り越えたシャガールは、戦後フランスに戻り、その名声を不動のものとし、1985年南フランスで亡くなりました。
本展では、ロシアの国立トレチャコフ美術館、国立ロシア美術館の全面的な協力を得て、色彩の詩人と呼ばれるシャガールが運命的な出会いをし、生涯にわたって愛し続けたベラとの愛の物語をテーマにした作品群を中心にご覧いただきます。とりわけ、モスクワのユダヤ劇場の壁面制作を任されたシャガールが取り組んだ一連の作品群や、シャガールの代表作である《街の上で》(トレチャコフ美術館)・《散歩》(ロシア美術館)などは必見の作品と言えるでしょう。シャガールの華麗な色彩と詩情あふれる豊かな世界を、存分にお楽しみください。
記念講演会
「ああ、誰がシャガールを理解したでしょうか?
~二つの世界間を生き延びたイディッシュ文化の末裔~」
講師:圀府寺司氏(大阪大学大学院教授)
日時:2012年10月6日(土)10:30〜12:00
会場:当館3階フィルムシアター(定員170名)
無料(ただし、本展覧会入場券〔半券可〕が必要です)
※要申込。
記念イベント「紙芝居 シャガール~愛と自由の翼ひろげ~」
初めての試みとして巨匠マルク・シャガールの生涯を紙芝居で紹介します。文と語りは、これまで細川ガラシャ、松尾芭蕉を取り上げてこられた森山道子氏に、絵はイラストレーターの笛岡法子氏にお願いしました。昔なつかしい紙芝居。大人も子供も楽しんでいただけると思います。ぜひご参加ください。
文・語り:森山道子氏(元小・中学校教諭)
絵:笛岡法子氏(イラストレーター)
日時:2012年10月7日(日)11:00〜11:40
会場:当館3階フィルムシアター(定員170名)
無料(ただし、本展覧会入場券〔半券可〕が必要です)
※要申込。
記念コンサート
「シャガールが愛した、故郷の旋律
~東欧ユダヤ音楽・クレズマー演奏会~」
演奏:クレズマー楽団「オルケステル・ドレイデル」
[樋上千寿氏:クラリネット、解説
大橋祐子氏:ピアノ
高橋延吉氏:ドラムス]
曲目:手拍子のダンス・ヴェイネンディスク・ニグン ほか
日時:2012年10月14日(日)13:00〜14:30
会場:当館別館ホール(定員200名)
※要申込。
申込み方法
往復はがきに住所、氏名(返信面にも)、電話番号、希望イベント名を明記し、 京都文化博物館内「シャガール展関連イベント」イベント係へ。先着順。イベントごと参加者1名につき、 1枚のはがきでお申込みください。
当館学芸員によるギャラリートーク
日時:10月12日(金)、19日(金)、26日(金)、
11月2日(金) 各日とも18:00から行います。
場所:展示室内(事前申込不要)※当日の入場者に限ります