⽉のように⾃分から発光するのではなく、他者の光の反射や重⼒などの関係性を受け、浮かび上がる世界に注⽬した展覧会を開催する。⼈は誰でも、暗闇の中で照らされてぽつんと浮かぶ存在感のあるものに惹かれる。
「そこにあるのは何か」を理解するために、必ずしも事象の中⼼に焦点を当てるのではなく、その周囲で連鎖するさまざまな関係性や、何かによって照らされ変容していく存在を丁寧に捉え、考えるアプローチを本展では提案したい。
葛本康彰、國枝愛⼦、栗棟美⾥、⼩出⿇代の作品は、光そのものというよりも「光のむこう側」や光の周囲に着⽬し、通過する光が映し出す⼀瞬の姿や、「影」が持つ深みまでを⾒る者に感じさせる。何気ない現象や関係性を掬い上げる視点と⼿法が共通する本展の作品が静かに響き合うさまを感じてもらいたい。
*本展は、京都精華⼤学芸術学部の授業「表現研究3, 4」「現代アートプロジェクト演習4」の受講⽣が企画・運営するものです。
出品作家:國枝愛⼦、葛本康彰、栗棟美⾥、⼩出⿇代
企画:秋⼭紗良、安達⾐梨、枝廣花⾳、⾦ヶ江ひとみ、殊井愛佑、タン レンリュウ、チン ジュントウ、泊博⼦、⾇⽥⽷⼦、道上優⾹、⼭本万柚⼦、吉岡幸真希、吉野綾
監修:吉岡恵美⼦(京都精華⼤学芸術学部教員)
協賛:桜ノ宮 活版倉庫、株式会社和光