大上巧真・高橋順平「ウサギ・ハチドリ・ホムンクルス 〜新しい地平の作り方~」

ジャンル
  • 美術
形 態
  • 展覧会
MEDIA SHOP galleryで、大上巧真と高橋順平による2人展「ウサギ・ハチドリ・ホムンクルス 〜新しい地平の作り方〜」が開催される。

 大上巧真は2000年大阪府生まれ。現在京都芸術大学 美術工芸学科 油画コースに在籍中。自身の身体を動かす見えない感覚である運動神経を注視し、体に触れることや自身が持つエリア(縄張り)について作品を制作する。

 高橋順平は1999年新潟県生まれ。京都芸術大学大学院修士課程 美術工芸領域 映像メディア専攻に在籍中。身体の拡縮の感覚に基づくセルフポートレートや植物などをモチーフにして、個人的身体感覚を共有可能にするための装置としてのインスタレーションを制作する。

 本展で大上は、体の表面を認識するため作られた「皮膚の飛び地」と呼んでいる平面作品と、一部の感覚を肥大化するため、口を使い作られた立体作品によって自身の縄張り空間を制作する。
 高橋は、幼少期に信じていた人類滅亡の予言を元にして、2022年8月に高橋が生まれ育った土地を舞台として行われた一晩限りのパフォーマンス作品のアーカイブを、新作の立体、平面作品など共に再構成したインスタレーションを発表する。

 高橋順平は以下、本展のステートメントの出している。

「月のウサギとナスカのハチドリが1日1回向かい合う。月の地形が地球上にいくつもの神話を誕生させ、それはまた新たなイメージを描かせ、また神話へ。ナスカでは鳥が海から山に水を運び雨が降ると信じられていたため、雨乞いの儀式として巨大なハチドリが描かれたのだと今日の研究者は想像する。

芸術が神話や信仰を離れてから、芸術家は描くものを失い、神話は描かれる場所を失った。そうして芸術は人間の視覚的快楽と欲望の生産に捧げられるようになった。最早信じるに値する確かな物語と、それを描く地平は私たちの外部には残されていない。

まっさらで真っ暗な新しい地平が必要だ。そこにひとりで降り立ち、身体の輪郭を確かめるように地面を触りながら、自らの身体の感覚だけを確かにして恐る恐る歩きだす。そうしてついた手探りの痕跡だけが、未だ確かに信じることができるイメージ/地図/物語=神話を描くだろう。

それはウサギやハチドリのように時を越えて残りはしないし、フラスコの中でしか生きられないというホムンクルスのような非現実で誇大妄想の産物かもしれない。しかしそれでも私たちは何度も地平を作り、神話を描きなおす。たくさんの失敗したホムンクルスの残骸が、いつかどこかで語られ、次の神話を作ることを信じて。」

イベント情報

日時
2023年1月2日(月)~ 2023年1月15日(日)
12:00~20:00(最終日は17:00まで)
場所
MEDIA SHOP gallery 2
〒604-8031
京都市中京区大黒町44 VOXビル2階

京阪、三条駅から徒歩5分・阪急、京都河原町駅から徒歩10分
料金
無料
URL
https://www.instagram.com/p/CmYE_mjSCyz/?hl=ja
問合せ先
takajun.0mm@gmail.com
※内容は変更になる場合があります。詳細は各イベント主催者にお問い合わせください。
※チケットや申込みが必要なものは、売り切れあるいは定員に達している場合があります。ご了承ください。