KYOTO EXPERIMENTでは、2020年度からの3名の共同ディレクター体制の出発にあたり、鑑賞型とは異なるプログラムとして「Kansai Studies」を始動しました。このプログラムは、関西を拠点に活動するアーティストの視点で、KYOTO EXPERIMENTが立脚する地域についてリサーチするものです。KYOTO EXPERIMENTはこれまで京都市内を中心に開催してきたフェスティバルですが、私たちに影響を与えている文化はより流動的であることから少しリサーチの範囲を広げ、関西地域を対象としました。その結果、琵琶湖や大阪湾まで移動しながら、リサーチメンバーであるアーティストが興味を示す事象や物事をリサーチしてきました。
2020年〜2022年のリサーチで中心となったのは、大阪を拠点にする建築家ユニット dot architectsと、京都を拠点にする演出家・和田ながらさん。初年度(2020年)は「水と琵琶湖」、2年目(2021年)は水の恵みをいただく食事に着目し、関西になじみの深い「お好み焼き」についてリサーチしました。3年目の2022年にはそれらのリサーチの集大成としての演劇作品を制作し、フェスティバルで上演しました。
和田さんとdot architectsによる3年間のリサーチはこれでひと区切りとし、2023年度からのKansai Studiesの新しい展開を考えていくにあたり、これまでの活動を振り返る報告会を開催します。リサーチの軌跡をたどりながら、次年度以降の発展的な継続方法について、参加いただく方にもコメントをいただき、話し合う機会としたいと考えています。ぜひご参加ください。
登壇者:Kansai Studies 2020-2022 リサーチメンバー[和田ながら(演出家)、dot architects(建築家ユニット)、川崎陽子・塚原悠也・ジュリエット・ナップ(KYOTO EXPERIMENT 共同ディレクター)]