幽霊が移民する!?見えない隣人と旅する、神里流ホラーコメディへの挑戦。
第62回岸田國士戯曲賞を受賞し、移動し越境する人々をテーマにした作品を発表する劇作家・演出家の神里雄大氏による劇団・岡崎藝術座、3年ぶりの京都新作公演!
作・演出 神里雄大
出 演 上門みき、大村わたる、ビアトリス・サノ、松井周
神里雄大 アーティストコメント
見えない隣人──幽霊や妖怪は日常に潜んでいる。わたしたちの隣人と言ってもいい。存在するかしないか、そんな議論は不要だ。見える人にしか見えない存在。見たくない人は見えない、とも言い換えることができる。ちなみにわたしは見たことはないが見たい。見えないものがいたっていい。そういう「見えない隣人」が、もしも国や地域を飛び越えたらどうなるだろう? と考えたのが今作の構想のきっかけだ。戦争や地震などのあとには、幽霊の目撃談が増えるらしい。死者を思うことが、幽霊の誕生につながる。だとすれば、その存在はわたしたちの生活にとってなくてはならないもののようである。なお、イミグレは英語で移民を意味するイミグレーションから採っているが、出入国管理のことでもある。見えないのは隣人なのか、あるいはその存在を受け入れたくない側の人間か。時が経ち、幽霊の誕生理由が忘れ去られてしまったころ、幽霊は出自不明の妖怪になるんじゃないか、そんなことも考えている。