京都芸術センターと台北パフォーミングアーツセンター(TPAC)が協働して実施した、アーティスト・イン・レジデンスプログラムの成果発表会
エクスチェンジプログラムである本事業では、当館からTPACが主催するレジデンスプログラムである「Asia Discovers Asia Meeting for Contemporary Performance(ADAM)」に参加するアーテイストを派遣し、TPACは当館のスタジオを使って滞在制作を行うアーテイストを派遣します。
当館が派遣した花形槙は、8月に台北市と台東で開催されたADAMに参加し、新作を制作、発表しました。そして、TPACからは、ADAMの協働キュレーターを務めたアンチー・リンが派遣されました。アンチーは、10月の1ヶ月間京都で滞在制作を行います。
本成果展では、この2人のアーティストが、それぞれのレジデンスプログラムで得た成果や、制作した作品を発表します。ニューメディア/テクノロジー/身体の在り方への関心をゆるやかに共有しながらも、独立した手法と視座の下で作品制作を進めてきた2人による、作品発表の機会に是非ご期待ください。
|プロフィール|
アンチー・リン(Anchi Lin/Ciwas Tahos*) *
タイヤル語での呼び名。
台北(台湾)を拠点に活動する、パフォーマンス、ニューメディアアーティスト。台湾の先住民族であるタイヤル族と台湾系漢民族にルーツを持つ。サイモン・フレーザー大学(カナダ)でヴィジュアルアートの美術学士を取得後、現在は台北芸術大学(TNUA)でニューメディアアートの美術修士課程に在籍中。言語、アイデンティティ、ジェンダー、環境への関心と実践の中で、ビデオ、パフォーマンス、サイバースペース、インスタレーションといった方法を用いながら、家父長的な体制を乗り越えたり、かき乱したりする認識の在り方について探求する。
https://anchilin.ca/
花形 槙(はながた・しん)
慶應義塾大学SFC卒業、多摩美術大学大学院修士課程メディア芸術プログラム修了。テクノロジカルに加速する資本主義社会において揺らぐ、自-他の境界、人間-非人間の境界への関心のもと、「私」でなくなっていく/「人間」でなくなっていく肉体のための装置の開発・実践・提供を行う。
最近の発表に、「第25回文化庁メディア芸術祭」(日本科学未来館)、「擬風景展」(東京藝術大学陳列館)、「Stilllive」(ゲーテインスティトゥート東京)など
https://www.shinhanagata.com/
|Asia Discovers Asia Meeting for Contemporary Performance(ADAM)|
アジア太平洋地域からアーテイストを招聘し、毎年新たに設定されるテーマに沿って、対話やコラボレーションを通じて作品制作を行う、レジデンスプログラム。台北パフォーミングアーツセンター(TPAC)のオープン(2022年8月)に向けたパイロット事業として、2017年から開始し、2020年から新型コロナウイルスの影響による中止を経て、今年再開。
「パンデミック後のエコロジー( Post-pandemic ecology )」をテーマとして掲げる今回のADAMでは、アーティストが下記の領域において対話、制作、成果発表を行った。
1) 身体、パフォーマンス、エコロジー(Body, Performance, and Ecology)
2)パンデミック後のに向けたグリーンアート(Green art for the post-pandemic era)
3)芸術的手段としての身体実践(Somatic practices as artistic methods)
キュレーターは、リバー・リン(River Lin)が務め、協働キュレーターとして現在京都で滞在制作中のアンチ―・リンが参加。