来る7月26日より展覧会「室町憧憬 -初田幸隆 陶の世界-」を開催いたします。会場には、今展のテーマに合わせて新たに制作された大壺をはじめ、茶碗や徳利、ぐい吞み、花入れなどの作品約50点を展示予定です。
初田さんが今回披露される作品群は、信楽焼の魅力を凝縮する室町時代の壺にあこがれ、その器肌を再現すべく焼成し作成されたものです。
「作陶をはじめたばかりのころは、いわゆる信楽焼というイメージを漠然と追い求めていたにすぎませんでしたが、穴窯焼成の回を重ねる毎に、師である大平新五氏の指導の下、多様な焼成法を試みるようになりました。」とその制作過程を振り返ります。
新作をはじめとする様々な作品をこの機会に是非、会場にてご高覧いただきたくご案内申し上げます。
初田さんからのメッセージ
昨年、アートスペース余花庵にて「初源からの展開 -初田幸隆 陶の世界-」展を催しましたところ多数のご来場を得、敷板と壺、舟板に掛けた蹲と野の草花、というような諸作品をご覧いただきました。このような素晴らしい空間を演出できましたのも、アートスペース余花庵ならではのことと考えています。
今回は昨年以上に、空間そのもののもつ雰囲気をお楽しみいただけますよう努めてまいりたいと存じます。コロナ禍が常態化する中での開催ではございますが、ご来場いただき、ゆっくりと流れる時間をお楽しみいただきますと共に、ご批評賜れば幸甚に存じます。