哀愁漂うタンゴの名曲「タンゴNo.3」と詩の朗読に合わせて踊り続ける、1人の女性ダンサー。ビリー・カウィーによる映像インスタレーション作品は、そんなダンス風景が3Dメガネをかけた観客の目の前に飛びだしてくる…。
ダンス、演劇、そして映像プロジェクトにも関わるなど、幅広い分野で活躍するスコットランドのアーティスト、ビリー・カウィー。
生身のダンスを2次元の映像で捉え、それを再び擬似的な3次元の映像インスタレーションにて公開するこの作品。迂遠なやり方に見えて、リアルな身体が現前しないことによる不在感が、より一層ダンサーの身体を強く感じさせるものとなる。今回は、先述の作品『Tango de Soledad』の他、『The Revery Alone』、『In the Flesh』の近作3作品を紹介。会場では天井や床を使った映像投影を試みるなど、映像メディアの特性を最大限に利用した展示空間が現れるだろう。