《セミヘブン(その世)》、
それは「この世」と「あの世」の間にあるもの。
人々がいのちをアップロードしてクラウド化する社会に、
とある母子がいた。
中年を迎えた息子を、年老いた母は忘れつつある―
劇団しようよ、旗揚げ10周年の〈救済劇〉
出演=
西村 花織(劇団しようよ/劇団飛び道具)
夏目 慎也(東京デスロック)
南波 圭(なんばしすたーず/青年団)
大柿 友哉
波多野 伶奈
前田 隆成(ハコボレ)
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旗揚げから10年が経ちました。「劇団しようよ」の大原です。
10年前、大きな地震があり、どうして演劇をするのだろう、とそんな「問い」を投げかけられたような思いの中、活動を始めたのを覚えています。あれから10年が経ち、またもなぜ演劇が必要なのか、どうして表現をするのか、深く鋭い「問い」が突き刺さるような思いでいます。
どうにも「死のフチ」への憧れが拭えません。その生と死の境界にはどんな景色が広がっているのでしょう。以前、僕が住んでいる部屋には幽霊がいる、と言われたことがあります。それを聞いた時、ホラーな怖さと同時に、どこか、死のフチをまたいだその幽霊に対する大きな羨望と期待を抱いたのを覚えています。生と死の境界をまたいだその時、どんなだった?どんな気分?どんな感覚?できることならその幽霊に会ってみたいとさえ思いました。
劇団しようよでつくってきた作品は、どれも小さく些細な感傷に眼差しをむけるものでした。そんな小さな痛みは、どこから生まれてくるのだろうと考えた時、何が「拠り所」であれば良いのか、どいうことかもしれないと思いました。少なくとも僕は、そんな「拠り所」を探しあぐねてここまで生きてきたように思います。何が心にあれば良いのか。誰が心にあれば良いのか。小さく、弱いもののための物語を作りたいと思います。
大原渉平(劇団しようよ 作・演出)
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旗揚げ10周年を迎える劇団しようよ主宰の大原さんが旗揚げ公演から順に、これまでの作品やその当初のことをnoteで振り返っています!毎日更新中。
劇団しようよをなつかしく感じる方も、初めて知るという方も、この10年を一緒にたどってみてください。
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