KUNIO10『更地』

ジャンル
  • 演劇
形 態
  • 公演
演出家・杉原邦生は、本学在学中の2004年に立ち上げた、自身が主宰するプロデュース公演カンパニーKUNIOでの活動を軸に、コンパクトな小劇場空間からダイナミックな中・大劇場空間まで自在に行き来し、扱う題材もギリシャ悲劇、歌舞伎など国内外の骨太な古典演目から新作現代劇までヴァラエティに富み、まさに八面六臂の活躍をしています。2021年3月『藪原検校』では春秋座芸術監督である四代目市川猿之助を主演に迎え、井上ひさしの傑作戯曲を現代の物語として大胆に甦らせた杉原が、大学時代の恩師でもある劇作家・演出家、太田省吾の代表作のひとつ『更地』を上演します。

東日本大震災の翌年、KYOTO EXPERIMENT2012にて本作をはじめて演出。戯曲の設定と異なる若い俳優をキャスティングすることで、二人の男女が「未来」の希望へと向かう新たな物語として再創造し、大きな注目を集めました。今回は夫婦役に、安定した演技力で舞台での活躍が目覚ましい南沢奈央と、『オレステスとピュラデス』(杉原邦生演出)でのタイトル・ロールも記憶に新しい濱田龍臣を迎えます。

コロナ禍における社会状況の変化に伴い、常識が覆され、価値観が揺さぶられているいま、若手実力派キャストとともに演出家の原点ともいえる本作を再び世に問います。

作:太田省吾
演出・美術:杉原邦生
出演:南沢奈央 濱田龍臣

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僕が『更地』と出会ったのは演劇を学び始めて間もない2001年、京都芸術劇場 studio21柿落とし公演でのことでした。作者である太田省吾さんが命名したそのスタジオで観た『更地(韓国版)』が、太田作品との出会いでした。あれから20年、劇場20周年記念公演として再びこの作品と向かい合えることに、大きな意味と責任を感じています。
『更地』はある夜、かつて自分たちの家があった場所へとやってきた初老の夫婦の物語です。二人は屋根のなくなったその場所に立ってふと、頭上に浮かぶ月に気がつきます。それまでは見えていなかった、もしくは見ようとしてこなかった、けれど、屋根の上にいつも当たり前にあった月。僕たちはいつの時も、このことを忘れてしまっているのかもしれません。〈屋根〉がなくならないと気がつけなかった〈月〉の光を。
いま僕たちは、ふたたび〈月〉の存在に気付かされ、〈屋根〉の意味を考え直さなければならない時代を生きています。でも、もっと大切なのは、〈月〉の存在そのものだけではなく、〈月〉を輝かせる光のみなもとが別のところに在るという事実です。そのみなもとに立ち返ることでしか、僕たちがつくるべき〈屋根〉の本当のかたちは見えてこないと思うからです。
だからこそいま、僕にとっての演劇の原点でもある『更地』をもう一度演りたい、そう思っています。

杉原邦生
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イベント情報

日時
2021年10月9日(土)~ 2021年10月10日(日)
両日14:00開演
※開場は開演の45分前
場所
[左京区]
京都芸術劇場 春秋座(京都芸術大学内)
京都市左京区北白川瓜生山2-116

・京都市バス「上終町京都造形芸大前」下車すぐ
・叡山電車「茶山駅」より徒歩10分
料金
一般 5,500円
友の会 5,000円
学生&ユース席 2,500円
URL
https://k-pac.org/events/569/
チケット/申し込み
一般発売    8月19日(木)10:00
友の会先行発売 8月18日(水)10:00
※友の会先行発売は、8月2日(月)までのご入会でご利用いただけます。
※チケット発売日(8/18、19)は、チケットセンター窓口での販売はいたしません。オンラインチケットストアをご利用いただくか、お電話(075-791-8240)にてお申込みください。

【チケット取り扱い】
京都芸術劇場チケットセンター(平日10-17時)
電話:075-791-8240
オンライン:
https://k-pac.org/ticket/
主催
京都芸術大学舞台芸術研究センター
問合せ先
京都芸術劇場チケットセンター(平日10-17時)
電話:075-791-8240
※内容は変更になる場合があります。詳細は各イベント主催者にお問い合わせください。
※チケットや申込みが必要なものは、売り切れあるいは定員に達している場合があります。ご了承ください。