KUNST ARZTでは、VvK(アーティスト・キュレーション)展覧会の29回目として、岡本光博キュレーションによる「美術ヴァギナ/Bijyutsu VAGINA」展を開催します。男性器をテーマにした展覧会「美術ペニス」の対となる「美術ヴァギナ」の開催です。
「ワイセツと表現の線引きもなされないまま、年々高まる性表現に対する規制/自主規制は何をもたらすのでしょうか?」という2013年「美術ペニス」展の危機感は、SNS時代特有の相互監視社会の影響もあり、さらに倍になったように思えます。
2020年7月に最高裁の判決を通して「女性器=ワイセツ」というレベルであることを暴いてみせたろくでなし子の【問題】の新作、アニミズム的、スピリチュアル的な感性で毛を用いた彫刻の荒川朋子、受精の瞬間の発光現象を金を用いて表現、探究し続ける山里奈津実、サンバダンサーの陰毛処理の為というブラジリアンワックスの原点をアートに開花させようとする宮川ひかる(*ワークショップあり)、隠語遊びや隠蔽されてきた女性器の表象を扱う企画者の岡本光博の5名による展覧会です。
男根や夫婦岩を祀り、陰陽石を嗜んできた文化的感性をわずかでも覚醒させることができれば幸いです。
(KUNST ARZT 岡本光博)