山部泰司展「一万年後の森へ」
そこにあるのは当たり前の森。そんなふうに見える。迷い込んだときに「どこにいるのか分からない」という眺望が抜き取られて。簡単に招き入れられてしまう。しかし、立ち入ってみると、その静かな有り様に違和感を覚える。知っている風景のようだったのに…
意識の奥深くで再スキャンがおこなわれる。「どこなのか、どこへつながっているのか?」思っていた森と未完な世界のズレが心に変化の兆しを与える。そのとき木々はザワツキはじめ、周りは生きた森の香りで満たされる。
1981年の初個展から31年、アートという方法を使って自己更新を続ける山部泰司の新作展。アクリル絵画10数点を展示予定。ぜひ、ご紹介、ご高覧ください。