京都写真美術館 ギャラリー・ジャパネスクでは、2020年3月24日(火)から4月5日(日)まで、2階展示室「花」にて、田中昭二 作品展「BLOSSOM IN NIRVANA」を開催いたします。
この「BLOSSOM IN NIRVANA」は、2019年に発表展示した「寂光/水の影」の続編である。デジタル・モノクロームの最高技法とされる「ピエゾグラフィー」によるファイアートは、写真の根幹であるプリント表現に重きを置いた作品であり、暗部のディテールが生み出す階調と奥行き、その比類なきマテリアルは、まさに「オリジナル・プリント」と呼ぶに相応しいものである。仏教の世界観をベースに、日本的風景に淡い花を透過させた「どこでもない、もうひとつの場所」こそ、永遠に見ることの叶わない「ニルヴァーナ」であり、此岸と彼岸の間に揺れる花は、そこを仄かに照す、もうひとつの「光源」として、1枚のプリントが存在する限り散ることはない。