現代美術製作所では、11月2日(土)から24日(日)まで、アーティスト・デュオの佐藤史治+原口寛子による展覧会《talks》を開催いたします。
筑波大学総合造形領域出身の佐藤史治+原口寛子は、東京の墨田区・向島を拠点に活動するアーティストです。2011年にデュオを結成以来、即興的な対話や仕草によるパフォーマンスを通し、意味のズレや齟齬を孕んだコミュニケーションを演じながら、そこはかとないユーモアを醸し出す映像作品やインスタレーションを制作しています。
また、毎回制作をした場所で作品の展示を行う発表スタイルは、空間のデティールやその場で発見したモノと戯れつつ、場所の持つ個性に独自の角度からスポットを当てる制作手法とあいまって、そのサイトスペシフィックな性格でも注目を集めてきました。
最近では、作品制作ばかりではなく、二人の制作方法を応用した、参加型のワークショップ活動にも積極的に取り組んでいます。
今回の現代美術製作所での展覧会《talks》では、以前に織物の作業場であった、製作所の古い木造の長屋空間を舞台に、そこに実際にあるモノを使って制作した映像インスタレーション〈周りの人〉と、製作所の本棚に並ぶ蔵書から、二人が選んだ複数のテキストをランダムに組み合わせ、それを一面にちりばめたテーブルクロスの作品〈昼が白いテーブルクロスのように広がった〉、以上2つの新作を発表いたします。
いずれも、今年前半から、二人が何度も京都の現代美術製作所に足を運び、場所との対話を重ねながら制作した作品です。
そのほかに、今年7月、向島のアーティストランスペース「あをば荘」のグループ展において発表した映像インスタレーション〈シェヘラザードのビデオレター〉に、新たなバージョンアップを施した作品も、合わせて会場で展示いたします。「千夜一夜物語」になぞらえ、眠りにつく直前、とりとめない話をメールで交換する二人の様子を、映像とテキストによって鑑賞者に覗き見させるような作品です。
なお、展覧会の会期末には、現代美術製作所でおなじみ、スナック形式のトークイベント〈スナック現美〉も開催。東京からのゲストをママに迎え、佐藤史治+原口寛子がホスト役として、くつろいだ雰囲気の中、来場者をおもてなしする予定です。
二人の持ち味である、軽妙な会話やパフォーマンスによる「おしゃべり」たちが、インスタレーションとなって現代美術製作所の空間を彩ります。佐藤史治+原口寛子にとって、今回の展覧会《talks》は、記念すべき関西デビュー展でもあります。
この機会にぜひご覧いただきますよう、皆様のご来場を、心よりお待ちいたしております。