アンダースロー恒例のお正月公演、2019年は新版『ワーニャ伯父さん』で!
手探り・酩酊・眠気・恐怖・「誰?!」……
120年を経てなお生き続ける演劇の言葉で新年を言祝ぎましょう。
チェーホフが『かもめ』の次に書いたのは、47歳の中年男性、鬱憤でいっぱいのワーニャとその姪・ソーニャの物語。田舎屋敷で展開する愚痴の応酬、惨めな失敗に終わるピストル騒ぎ……。華やかさとは無縁な、地味なことこの上ない話にも関わらず、地点版では伝説的なラストシーンの魅力もあいまって、多くの観客の心を掴んできました。特に今回、演出の三浦が試みるのは、この物語に、チェーホフによるサハリン島までの旅の記録『シベリヤの旅』を掛け合わせること。ルポルタージュの先駆けとも言われるこの手記により、チェーホフの冷徹とも言えるまなざし、その視線がとらえた〈どうしようもなさ〉を炙り出します。