夫婦が営む、小さな絵画教室のアトリエ。引っ越し前日のこと。
からっぽになっていく部屋と、箱に詰められた沢山のキャンバス。
寒かったことを覚えている。それから灯油ストーブのにおい。
ミルクピッチャーと干からびかけのオレンジ。
荷造りの代わりに、いつしか二人は、不思議な物語づくりの旅にでる。
子どもの頃に描いた、「つきちゃん」と「ひびちゃん」の姿をさがして。
ーーーー2016年に京都のギャラリースペースで初演を上演した、ソノノチの代表作とも言える作品です。「大切な人へと受け継がれていく気持ち」をテーマに、冬にぴったりの心温まる作品にしたいという想いから生まれました。今回は、原作となったオリジナル絵本「つながせのひび」に至る物語として、リクリエーションしてお届けします。