近代以降、舞台芸術の多くは、劇場や能楽堂など、外界とは遮断された建物のなかで演じられます。緞帳のある西洋的なプロセニアム劇場と能楽堂はそれぞれまったく異なる建築ですが、それらは無論、それぞれの表現と深く結びついています。能舞台の建築様式は「序破急」とも関係があった……? 隠された関係に迫ります。
講師:
松永直美
東京・御茶の水の画材店「レモン画翠」(大正12年創業)代表取締役。日本建築学会情報システム技術本委員会委員。能舞台様式と能を構成する舞踏・劇・音楽との関係性について興味をもち研究を行っている。大阪大学大学院工学研究科の博士学位論文に「世阿弥以降の能舞台様式の変化と『序破急(序破急五段)』の関係性の研究」(2017年)がある。
田茂井廣道
観世流シテ方として幼少より河村晴夫、長じて13世林喜右衛門に師事。公益社団法人能楽協会社員、同京都支部教育特別委員。京都芸術センター主催「素謡の会」ナビゲーター、および「T.T.T.(トラディショナル・シアター・トレーニング)」講師を務める。新作能『田道間守(たじまもり)』を制作し、脚本を担当。重要無形文化財能楽(総合指定)保持者。