〈地点によるチェーホフ四大戯曲連続上演〉シリーズが帰ってくる!?
人気のレパートリーでありながら2015年以来封印されていた『ワーニャ伯父さん』
新演出で再びアンダースローへ!!
チェーホフが『かもめ』の次に書いたのは、47歳の中年男性、鬱憤でいっぱいのワーニャとその姪・ソーニャの物語。田舎屋敷で展開する愚痴の応酬、惨めな失敗に終わるピストル騒ぎ……。華やかさとは無縁な、地味なことこの上ない話にも関わらず、地点版では伝説的なラストシーンの魅力もあいまって、多くの観客の心を掴んできました。特に今回、演出の三浦が試みるのは、この物語に、チェーホフによるサハリン島までの旅の記録『シベリヤの旅』を掛け合わせること。ルポルタージュの先駆けとも言われるこの手記により、チェーホフの冷徹とも言えるまなざし、その視線がとらえた〈どうしようもなさ〉を炙り出します。
チェーホフが見ていた「絶望」は100年以上前のロシアで、未開の地に暮らす人々が抱えていたものに過ぎないのか。2018年の現代日本、京都の稽古場で、人間の本性を巡る思索は続いています。一方で、レパートリーをリニューアルするにあたり、アンダースローならではの空間造形についてもアイディアが飛び出しました。一皮剥けた『ワーニャ伯父さん』をお届けできると自負しております。どうぞご期待ください!