吉田カツは1939年、兵庫県篠山市に生まれます。大阪美術学校においてデザインを学び、1970年代よりフリーのイラストレーターとして、多くの雑誌や書籍の表紙画、挿絵を手がけてきました。
雑誌「スナイパー」や、全日空機内誌「翼の王国」の表紙など、吉田のイラストレーションは、観る者に常に強烈なインパクトを与えます。
吉田がイラストの仕事と並行して、描いてきた絵画。描かれるものは、男女のエロティックな姿態や、田園や山の風景、果物や本などの静物。モチーフは異なりながらも、大胆な線と抽象的な造形には、生命そのもののほとばしるエネルギーが溢れています。そこには、吉田の事物を見据える鋭い眼と多角的な視線が潜んでいます。
何必館・京都現代美術館では2009年に展覧会を開催し、吉田はその後も制作を続けますが、2011年、肺気腫のため72歳でこの世を去りました。
本展覧会では、遺された絵画作品を含む、約50点を展覧いたします。吉田カツの<いま>を、ご高覧ください。