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> 【空間現代 collaborations 2018】飴屋法水 × 空間現代 「馬」
【空間現代 collaborations 2018】飴屋法水 × 空間現代 「馬」
ジャンル
音楽
形 態
公演
空間現代コラボレーションズ第一弾は飴屋法水×空間現代。小島信夫の短編小説『馬』を原作としたパフォーマンス作品の上演が決定しました。
自宅の庭に新たな家屋を建てようとする妻と、困惑し狼狽する夫。その一階に馬が住み、「私」は二階に・・・?
噛み合わない夫婦の会話、アタマのおかしい(とされる)夫の独白が魅力的な小説『馬』に、演劇界でも独特な存在感を放つ鬼才・飴屋法水と空間現代が挑みます。
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飴屋さんと初めて共演したのは自分たちのファーストアルバムの発売記念イベントに出てもらった時だから確か2010年3月頃の事だと思う。初めて会ったのはそのための打ち合わせの時で、確か新大久保の韓国料理屋だった。その時に「小島信夫の『馬』がいいと思う。空間現代は『馬』に合う」と言われたのを覚えている。それで飴屋さんは当日『馬』のテキストを用いた朗読パフォーマンス作品を披露してくれたのだった。
その後、レーベルHEADZの佐々木敦さんに飴屋法水×空間現代でアルバムを作ってはどうか、と言われたので再び連絡を取り合い、作る運びとなった。この前の朗読パフォーマンスを音源化するようなイメージで動き出したので、使用テキストは当然『馬』である。録音は2011年の2月頃で、東日本大震災の直前だった。ちなみに、その後音源制作は中断してしまい今もなおリリースできていないままでいる。
そして今回、2018年にまた『馬』をやる事になった。飴屋さんと空間現代の間には、初めて会った時から今までずっと、この『馬』が横たわり続けてきた気がする。まだ終わっていない、という感覚がずっと残っているのだ。
*
小島信夫の書く小説は人生を描写するのではなくて、書くことで/書かれたものが人生と同化していくような文体を持っている。遺作『残光』を読み終えた時、そう確信した。小説の最後と、人間の死。その有りえない一致が猛烈に迫り交錯する感覚は私を困惑させた。文字は今目の前にあるが、作者は数年前に既に亡くなっているということが、なんだかすごくおかしな気がしてきたのだ。小説の中の作者は今も文字として生きているが、たった今読み終えてしまったことで、今、亡くなったような気もする。ちょうど『馬 』の主人公が、自分に乗られている馬と、乗っている自分がどちらがどちらなのかわからなくなってくるように、書いた者と書かれた者の交錯が、小島信夫の文体にはある。
飴屋さんのパフォーマンスは、虚実の境界線をなくすような作風と評されるが、もしかしたら彼にとって虚実の境は元々なく、実Aと実Bがあるだけなのかもしれない。そのようなことを我々に突き刺してくる作風といった方がいいかもしれない。いや、あるいは、飴屋さんは生きており、今もここにいる。なので、虚ではなく実なのだ、ということが次第に虚に感じてくるようなパフォーマンスとも言えるかもしれない。私はこれまで何回かすごい光景を観てきた。今飴屋さんは死んじゃうかもしれない、あ、死んだ。と思ったことが一回だけある。それは東京・渋谷のライブハウスでの出来事だった。
2016年、まだ「外」の工事が終わっていない時に「京都にライブハウスを作ってるんです」と伝えると、飴屋さんは「そこで何かやりたい、やろうよ」と言ってくれた。その後、そのことを佐々木さんに伝え、何かアイデアありますかと訊くと「やっぱり『馬』なんじゃないかな」と言った。そう、やっぱり『馬』なんだと思った。
しかし、この7~8年の間、色々あったし、空間現代の音楽にも変遷がある。だから、再びやる、というよりは新しくやり直す、というつもりで取り組みたいと思っている。飴屋さんもそのつもりだ。京都のライブハウスで飴屋法水と空間現代が『馬』をやる。「演劇」と一括りには言えないものになるかもしれないけれど、そこには人がいて、言葉があって、音楽があるということだけは間違いない。
『馬』のテキストは不条理ながらもどこか可笑しみもあって、チャーミングに狂っている。この、極めて特異な小説家である小島信夫の言葉を出発点として、何ができるかまだわからないが、まっさらな気持ちで取り組みたいと思っている。
(空間現代 野口順哉)
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飴屋法水 × 空間現代 「馬」
作:小島信夫
演出:飴屋法水
出演:飴屋法水、西島亜紀
音楽:空間現代
2/2(金) 開演 20:00
2/3(土) 開演 20:00
2/4(日) 開演 20:00
2/5(月) 開演 20:00
※いずれも開場は19:30
予約3000円[当日券は+500円]
※ご予約受付は1/8 20時より外ウェブサイトにて開始いたします。
http://soto-kyoto.jp/event/180202-05/
【空間現代 collaborations 2018】
2/2-5 飴屋法水 × 空間現代 「馬」
http://soto-kyoto.jp/event/180202-05/
3/18-19 吉増剛造 × 空間現代
http://soto-kyoto.jp/event/180318-19/
3/30-31 contact Gonzo × 空間現代
http://soto-kyoto.jp/event/180330-31/
イベント情報
日時
2018年2月2日(金)~ 2018年2月5日(月)
開場 19:30 開演 20:00
場所
[左京区]
外
京都市左京区鹿ケ谷法然院西町18
市バス「錦林車庫前」下車すぐ
・京阪「神宮丸太町駅」より市バス204系統
・京阪「出町柳駅」より市バス203系統
料金
予約3000円[当日券は+500円]
URL
http://soto-kyoto.jp/event/180202-05/
チケット/申し込み
※ご予約受付は1/8 20時より外ウェブサイトにて開始いたします。
http://soto-kyoto.jp/event/180202-05/
主催
合同会社空間現代 / 助成 公益財団法人アサヒグループ芸術文化財団
問合せ先
info@soto-kyoto.jp
※内容は変更になる場合があります。詳細は各イベント主催者にお問い合わせください。
※チケットや申込みが必要なものは、売り切れあるいは定員に達している場合があります。ご了承ください。
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