<松尾大社「神庫」に眠る和琴>
平成30年(2018年)松尾大社にて「平成のご遷宮」が行われます。
現在、御本殿や楼門の工事が始まっていますが、それらの工事に伴い、神庫より貴重な品々と共に「木箱に入った和琴」が運び出されました。約30年前にも一度運び出され演奏されたらしいのですが、記録もなく詳細は分かっていません。
<江戸時代末期作成の和琴>
神庫は奈良の正倉院と同じく校倉造りで作られています。
ずっしりと重い木箱に入っていた和琴は大変良い状態で保管されており、六弦の絹糸も古い状態ではありますが切れる事なく残っていました。
そして木箱の蓋裏には、
「嘉永五年(1852)松尾大社が御神楽を再興。(それに際して)大和介藤原定光が(和琴を)作り実際に使われた。京都方の楽家の安倍季良(当時78歳)が奉納したもの。」と書かれていました。
この度の企画「古代の巻」では神楽歌、平安時代に成立したと考えられている「琴歌譜」そして藤枝守氏の現代曲を松尾大社様よりお借りした和琴にて演奏、そして「現代の巻」では現代音楽の騎手として活躍した恩師沢井忠夫氏の箏、17絃箏の曲をメインに演奏致します。
【プログラム】
「古代の巻」
<和琴・唄:中川佳代子>
神楽歌「阿知女作法」
「茲都歌(しづうた)」 陽明文庫「琴歌譜」より和琴と歌の解読 <増田真結:訳譜>
「植物文様 琴歌集」から「阿知女」「月読」「酒楽歌」 <藤枝守作曲>
「現代の巻」
<箏・17絃箏:中川佳代子、丸田美紀>
三つのパラフレーズ <沢井忠夫作曲>
凛 <沢井比河流作曲>
日本の三つの唄 ~さくらさくら、数え歌、お江戸日本橋~ <沢井忠夫作曲>