DEMADO PROJECTの第5回展示として、京都在住の作家・田中加織による絵画+立体インスタレーション「光月山」を展示いたします。
田中加織は禅寺などに見られる伝統的な日本庭園をインスピレーションとした絵画作品を制作してきました。特に「蓬莱山」と呼ばれる庭園の中心をなす池の人工の島を主題とした作品群では、蛍光色を思わせるピンクやグリーン、イエローなど、ポップでありながら抑制されたトーンの色彩に置き換えられた風景が、理想郷を再現した本来の庭園とは異なる不気味さや不穏さ、畏怖を誘う気配をも発しています。描かれた理想郷が、決して手の届かない存在であり、また手を触れてはならない存在であるということが暗示されているのかもしれません。
近年では、象徴性の強い風景としての「富士山」をモチーフとした作品や、宇宙空間を思わせる画面なども取り入れながら、心象風景としての「庭」を描き続けています。
今回の展示「光月山」では、古くから日本の庭園に組み込まれてきた「月見」をテーマに、銀閣(慈照寺)の庭園に見られる富士山に見立てた砂山「向月台」に題を借りた絵画と立体によるインスタレーションを展示します。
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展示に合わせ、オープニングレセプションを6月23日(土)の午後5時より行います。オープニングでは、ウィンドウギャラリーの作品展示に加えて、室内のオフィススペースで小品の絵画作品も展示いたします。
また、田中加織が制作した、月と山にちなんだオリジナルアクセサリーも展示・販売いたします。