”古典芸能屈指の〈鬼女物〉と〈狂女物〉
身体から紡ぎ出される、ふたつのものがたり”
【隅田川】
これまで2つの木ノ下歌舞伎作品で演出を担い、その度に思いもよらない独自の視点で歌舞伎の現代化に挑んできた白神ももこ氏。今回は日本古典芸能屈指の〈狂女物〉である『隅田川』に挑みます。
その指先足先にまで物語を宿し、確かな技術に裏付けされた身体で多彩な情感をこまやかに描き出す白神氏が、子を探し求め狂女となる女性をどう演じるのか。
本作で初となる木ノ下裕一、杉原邦生との共同演出にもご注目ください。
【娘道成寺】
木ノ下歌舞伎の『娘道成寺』は、2008年の初演以来、30分のソロダンス作品として上演を重ねてきました。4度目の再演となる今回は、本作を60分バージョンへと再創作し、初めての全曲上演に挑みます。古典芸能の代表的〈鬼女物〉、また歌舞伎舞踊屈指ともいわれるこの大曲を再びひとりで踊るのは、振付家・演出家・ダンサーのきたまり氏。その芯の強さ、情熱と沈着をあわせ持つ美しさで〈鬼女〉の根源に迫ります。