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NEW INCUBATION 7 『パラレルワールド または私は如何にして世界を愛するようになったか』
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ベテラン作家と若手作家とが出会い,互いに触発し合うことで,現代美術が抱えるている問題や,社会に対してできることを浮き彫りにすることをテーマとした展覧会NEW INCUBATION.本展は,出展するアーティストにとっても,鑑賞者にとっても,刺激に富んだ挑戦の場となることを目指しています.今回は,映像作品を中心に幅広い活動を展開している二人のアーティストEUGENE KANGAWAとPIERRE JEAN GILOUXによる展覧会を開催します.
KANGAWAとGILOUXは,個人の内面ではなく外的事象を制作の出発点とし,異なる領域との協業や,アートと社会のあいだの境界を越えた活動に積極的に関与してきました.しかし,対象へのコミットメントの態度,アーティストとしての主体性のあり方は対照的です.冷静なまなざしで世界を捉え,脚本あるいは設定のみをつくりだすような「最小限の介入」によって,純度の高い作品を結実させるKANGAWA.自らのつくりだすCGの虚構に幻惑されているかのようにイメージに対して「最大限の介入」を行い,想像力とユーモアにあふれたヴィジョンをつくりだすGILOUX.今回はそれぞれの視点から現代の風景を描き出した映像作品を展示します.
両者の映像作品からは,それぞれがどのように世界を見て,どのように理解し,どのように再構成したのかが浮かび上がってきます.自然風景が現実以上の強度で切り取られ,秩序正しく作り込まれたKANGAWAの映像は,むしろフィクションに接近していっているように見えます.その一方で,GILOUXがデジタル画像処理によって再構築した虚構の都市は,生物のように有機的に変容していく現実の都市の姿を神秘的に表現しています.それぞれの手法で制作された作品は互いに鋭いコントラストを成しながらも,創作と実写が反転しながら接続される関係にあるように思えます.また,いずれの映像もどこか予兆的で,現代の世界に対するカウンターイメージとしても機能しています.
KANGAWAとGILOUXの作品に垣間見える二人の世界観のパラレルな関係,本展の関連企画としてパラレルに開催される期間限定の特別インスタレーション,そして,両作家の目を通して見る世界と私たちが体験する世界の並行関係.本展では,異なるレベルの「パラレルワールド」が重層的に繰り広げられます.
【パラレルイベント/ニュイ・ブランシュKYOTO2015関連企画】
※詳細については後日ウェブページ[http://www.kac.or.jp/events/16727/]で発表します
1. EUGENE KANGAWA
Special Installation
日時:10月3日(土)18:00-22:00、4日(日)10:00-13:00/18:00-22:00、5日(月)10:00-17:00
会場:フリースペース
2. PIERRE JEAN GILOUX
a. Film Screening
日時:10月3日(土)夕刻
会場:京都国際マンガミュージアム(中京区)
b. Special Installation
日時:10月3日(土)-9日(金)10:00-20:00
会場:和室「明倫」
Eugene Kangawa(カンガワ ユウジン)
1989 年,アメリカ生まれの現代アーティスト/映像作家.デザインを専攻後,リサーチをベースに,スクリプトや設定に重点を置いたフィルム,インスタレーションなどを手がけ,特に実写映像やファウンド・フッテージを用いた美しくもミニマルな表現は気鋭の若手作家として高い評価を受け,2013 年にはサーペンタインギャラリー(ロンドン)のプロジェクトに参加.また,2011 年より手がけた二つの作品 《from the future》(2011 -) と《After the War》(2011-) が,世界的な音楽家であるテリー・ライリーの共感を呼び協業を行う(2014,東京).また同時にKANGAWAは,都市計画や特許研究,人工知能や教育の研究などに携わるなど,そのダイナミックな活動が新たなアーティスト像,映像作家として世界的な注目を集めている.これらの活動はすべて,アーティストにとっては映像作品と並列のコンセプチュアルな作品であり,KANGAWAを擁するON(株式会社オブジェクト・オブ・ヌル)も,彼の活動を最大化する組織として様々な領域から評価を受けている.
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http://eugene-kangawa.com/
http://supervision-project.com/
http://o-n-inc.com/
Pierre Jean Giloux(ピエール=ジャン・ジルー)
アーティスト・映画監督のピエール=ジャン・ジルーはリヨン国立美術学院で学んだ後,チェルトナム美術大学(イギリス)とマルセイユ=リュミニー美術学院で学ぶ.当初は写真作品を中心に制作していたが,現在では映像作品を主に制作している.ピエール=ジャンの作品は,新しいテクノロジーに関するリサーチの結果として発表される.特に,写真,映像,CG の間の関連性や混成形に関心があり,美術や建築の文脈を参照しながら,ポップ・カルチャーやマスメディアの情報をつなぎ合わせた独自の言語をつくりだす.なかでも,5 つの短編映像により構成されるシリーズ“Commercial Fragmentations”(2009 年)は高く評価されている.最近では,“BEYOND THE SOUND” 展(2015年,香港),“Wabi Sabi Shima” 展(2015 年,ブリュッセル)に出品.日本では,『黄金町バザール2013』(2013 年,横浜),『No Man’ s Land』展(2010 年,東京)に参加.インスタレーションや映像作品をポンピドゥー・センター(パリ),MAC/VAL(ヴィトリー=シュル=セーヌ,フランス),バス・ノルマンディー地方現代アートセンター(カーン,フランス),イヴリー現代アートセンター[CREDAC](イヴリー=シュル=セーヌ,フランス)ほか,様々な国際的アートフェスティバルで発表している.
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http://pierrejeangiloux.com/
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A film by Pierre-Jean Giloux: A Solang Production Paris Brussels, co-production S.O.I.L., Brussels
with the support of: CNC dicream, Arts Numériques CFWB, S.O.I.L., VAF.
2015年ヴィラ九条山レジデント