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私にとって花は、気ままで美しいものの象徴だ。
四方八方好きなように伸び、色づき、咲き散らかして生きている。
身近な人物にもそんな花に似た美しさがある。
日常や記憶からそれらを見逃さないように、描きたいと思う。
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2010年より人物を主に描いています。今回の作品のほとんどは実在のモデルを目の前にして描いていて、その他のいくつかは、花などの自然や、旅先の記憶、身の回りの出来事からのイメージを組み合わせて絵にしています。
人物を描く上での私の試みは、たわいない会話の隙間や考え事の最中など、ふとした瞬間に表れるその人らしさが凝縮された表情を描くことにあり、そのため友人や家族など、心を開いてくれやすい近しい人物を多く描いています。
また、その人の生きた印象をできるだけ端的に、新鮮に描き捕まえるために、顔立ち等、メインの部分を描く時間はおよそ30分程度の比較的短い時間で仕上げます。色は、モデルと話しながら浮かんだ色を使って、よりその人の魅力を引き出せるように選んでいます。
遠い世界でなく日常の中にある、花のように気ままな美しさを見逃さないように、忘れないように描くことで、私なりにこの世界を肯定したいと思っています。
児玉 彩