私たちは直接見た事も触ったこともないことを、よく知っている。小さくなった 箱の中に全部詰まっていて、大抵の回答はそこにある。 しかし、もみくちゃに 束ねられた記憶の方は、想像以上に曖昧で時が経てば薄れていく。 そして自分 がどこに立っているのかも、わからなくなることがある。 それは迷子のようだ。
帰るためには、なにが必要だろう。
今回の展示では鑑賞者が自身をふと振り返る瞬間、作品と原始的に対面する場を 作り出すことを試みます。一番に思うことは、作品が鑑賞者に 声をかける瞬間 を確かめたいです。その場でしか感じ得なかった記憶の輪郭が頭をかすめる時、 新たな体感を感じれると思います。 (藤本 真理)
このご機会にご注目下さい。