吉田沙織は、京都造形芸術大学日本画コースに学びながら、空間や身体への関心を持ち、インスタレーションやパフォーマンスにもかかわった経験を持ちます。 本展は、吉田沙織の絵画作品による初の個展です。
大学院修了の2011年から主題としてきた「身体で見る絵画」にテーマを絞り、最近の「喪失して尚、混在する。mixed with loss.」シリーズから新作のみを展示いたします。
これらは、今年1月の福島および5~7月の長野での滞在制作の経験から、直接的に、また間接的にそれぞれの山地から影響を受けた作品群です。
「喪失して尚、混在する。mixed with loss.」シリーズの作品は、支持体である板の木目をなぞることから始まります。
吉田は、「絵画はつまるところイリュージョン(幻想)を見ることにあって、描けば描く程に元の存在は消え去る」と言います。
物質としての支持体や画材・絵具は重なりあって(もしくは崩れた)、作品の完成時には、そのどれでもない新しい存在(作品、またはそれを観ること)を暗示しています。
吉田沙織:1985年富山県生まれ、2014年「第32回上野の森美術館大賞展~優秀賞フジテレビ賞」ほか受賞、グループ展多数。当ギャラリーのメンバーアーティストによる常設&オンラインショップA3 projectにて吉田沙織をご紹介しています。