新たなシリーズ、assembler(アセンブラ)の展示を行う。
assemblerとは組み立てを意味し、プログラミングの分野においては0と1で表されるmachine language(機械語)を、人間に分かり易い言語に変換するソフトウェアの事を指す。
本作では画面上に、実際の都市の位置情報を反映させたグリッドを配置している。それらの位置情報に対応する環境データ(地形、人口量、交通量、気象など)には、論理図形としてイメージに置き換わるためのシステムを付加した。ここでのシステムとは、それぞれの環境データに設定したイメージの発生条件や、その値に伴って形を変化させるルールの事であり、その規則に従って描画が行われている。
規則化された幾つかの計画は自動的に実行される。画面上での規則は、全てのオブジェクトに同じ様に反映されていなければならないからだ。変更を加えたい箇所があれば、その描画計画に立ち戻って規則自体を修正するしかなく、またその結果は、他の箇所にも影響を与えることになる。
通常、絵画制作において″考える″や″描く″といった計画と実行の工程はその境がない。しかしassemblerでは、計画の組み立てと自動化された実行の工程が交互に行われる、半自動方式を採用した絵画となっている。