出演
袋坂ヤスオ Yasuo fukurozaka
みすず Misuzu
音 sounds
太田ひろ Hiro Ohta
Jerry Gordon
ryotaro
題名「天人五衰」について
天人五衰(てんにんのごすい)は仏典に現れる語で、六道最高位の天界にいる天人が死の直前に現す5つの兆しのこととされる。能楽「羽衣」では、漁師によって天の羽衣を奪われ天上に帰るすべを失った天人が落胆するさまを「天人の五衰も目の前に見えてあさましや」と謡う。
三島由紀夫最後の長編四部作「豊穣の海」の最終巻の題名となった。この長編の主題は輪廻転生であるが、「天人五衰」では”ニセモノの転生”が問題になる。1970年11月25日、「天人五衰」を入稿した三島はその当日に陸上自衛隊市谷駐屯所で割腹自殺を遂げた。
公演に寄せて ~福西次郎(UrBANGUILD代表)~
衣を剥がれた男児の裸体、爆竹の噴煙に照らされる下腹部のパトライト
(輪廻転生の夢)
のたうち、喚き、舞い、痙攣する暴力
(刹那的に繰り返す生への讃歌) 能、舞踏、ダンス、剣道、ヌンチャク、変体
(枯れ果てた自意識が不毛の鏡の様な新たな後継者を生む)
右であり左、勤勉にして怠慢、原子核工学に希望を抱き反原発
(撰ばれし人間と矜持する天使は夭折を奪われ生殺しにされ)
国立大学、遺跡発掘、塾講師、タクシードライバー
(偽物疑惑は死を持って自己証明の必要を迫られ)
存在理由は自主的に皆無、神の子の傲慢
(優雅なロマンスも純粋な使命も官能も唯識思想も)
「幻の為に生き、幻をめがけて行動し、幻によって罰される」
(認識の地獄の不死)
世俗が幻にしてしまった夢を具現化する為に己の腹に刀を突きつける。
『憂国』
「日輪は目蓋の裏に赫奕と昇った」
笑止。夜明けは近い。
「それも心々ですさかい」