本来、夜は暗い。しかし、現在は日が落ちても街は明るい。そして人々は自ら携帯やパソコンの画面に目を落とす。
昼夜を問わず人工の光にさらされる私たちは様々な境界が曖昧になり、そこにいる自分を定位することが困難である。
日々のめまぐるしさに息つく間もない私たちは、自らの意思で呼吸することができているのだろうか。
これは、とめどなく流れ希薄となっていく存在の様々を繋ぎとめる試みである。
2014年 京都精華大学芸術研究科博士前期課程洋画領域 修了予定の岡本里栄・葛本康彰による展覧会。
岡本里栄
「それは霧の如く」
1940×2606m
キャンバスに油彩
2013