これまで清田は、言葉が図像に直結するような絵画表現を目指し、制作発表を続けてきました。今回の展覧会名「雷雷抱雷雷」とは、言葉を選び、組み合わせることが清田の創作行為の要であるということを受け、出展作品の中で素材として用いられた言葉を直接的に繋ぎ合わせた造語です。
清田は、作品制作を続ける中で、ブライス・マーデンやエリザベス・マーレイ等の新表現主義以降の絵画表現に関心を持ちながら、表現形式にはイメージの必然性を持たせるために、変形キャンバスや基底材が露出したような半立体を選んできました。今回の出展作品には、清田が近年取り組んでいる、キャンバス布を材木で組まれた立体的なフォルムに張り込んだシリーズがあります。本来はただの綿布であり、絵画作品の支持体であるキャンバス布が、清田の考える言葉やイメージのルールに従って、まるで部首を集めて漢字を造るかのように組まれた木枠の凹凸を覆い張り込まれることによって、独特な曲面を描きながら新たなフォルムを形成します。さらに、そこにアクリル絵具による色彩とマチエールが重ねられ、複数の要素が一つの作品として集約されます。
本展では、新作6点と旧作1点の計7点の作品を出展いたします。日々活動を続け、表現を模索する作者の姿勢を垣間見ることが出来る展覧会です。是非、多く皆様にご高覧いただけるようお願い申し上げます。