1984年東アフリカ・ケニャでの半年間に及ぶフィールドワークを経験して以降、アジア各地でフィールドワークを続けてきた富田勝彦。帰国後は京都で日本人としてのアイデンティティーと日本美術のオリジナリティーを検証してきました。
富田の絵のアクリルや箔を使った平面的な画面構成、また草花や庭といったモチーフは琳派を思わせる。彼が日本の中でも特に、京都に強く惹かれるということと無縁ではなさそうだ。空間の環境造形を考えていくうちに、大胆で、現代的とさえ言える尾形光琳、俵屋宗達のデザインセンスに共鳴する部分は、おおいにあるだろう。
― 作品展「艶淨(2004開催)」リーフレットより抜粋。児島やよい著
富田が追及する「環境体験型空間」という表現は、キュレーター児島やよい女史に命名され日本でも稀有なものです。富田の原風景である東京下町の情景、襖絵、銭湯壁画、舞台背景画からきているものでしょう。
今展は、富田の常套表現である室内空間を埋め尽くすという作品でなく、“日本空間のポピュラー、日本におけるPOP art を追求する”小作品シリーズから、京都町屋空間に合わせ選出した作品を展示します。