「犬と歩行視」part-2実験と演習:Case of Goh Hayashi +Hiroko Nakatsuka」

ジャンル
  • 美術
形 態
  • 展覧会
「赤い火かき棒をあまり長くもつな、火傷するぞ。あまり深く切るな、血が出るぞ。」

「しかし、『大きくなる』、『減少する』、『赤くなる』、『緑になる』、『切る』、『切られる』などの意味は、まったく別種類のものである。それは、事物の状態や、物体の根底にある混合物ではなく、この混合物に由来する、表層での非物体的なできごとである。————ひとつの哲学の精髄は、何よりもまずそれが、存在と概念に割りふる、新しい配分の仕方で測られる。ストア学派の哲学者たちは、今まで誰も見なかったところに境界線を引き、それを超えさせようとする。その意味で、彼らはあるゆる考察の位置をかえている。」————『意味の論理学』ジル・ドルーズ

林剛+中塚裕子は1983年から1991年の9年間、京都市美術館アンデパンダン展を会場とする壮大なスケールのプロジェクトを展開した。「The Court 天女の庭 / テニスコート」(1983年)に始まる彼らの仕事は、textual (言葉の織物)とtectonic (構築設営)が相互に絡み合いながら変化してゆくダイナミックなプロセス(航海日誌)を体験させるものである。かれらの作品には、今日の鑑賞者の気に入るあらゆるものがある。子ども達、特に女の子たちのための本、異様で秘境的な、素晴らしいことば、格子・コード・コード解説、デッサンと写真、深い精神分析的な内容、典型になるような論理学的・言語学的形式主義、そして現実の楽しみを超えたところにある何か別のもの、意味と無意味の戯れ、カオス・宇宙。彼らが存在と概念に割り振る新しい配分方法は、今まで誰も見なかったところに境界線を引き、それを越えさせようとする力をもっている。

本展覧会では、「The Court 天女の庭 / テニスコート」(1983年)の試験的再制作、概念模型、コンピューターグラフィックスによるプロジェクトの展開プロセス、プロジェクトにまつわる資料、ダイアグラム、メモなどの展示によって、彼ら(林+中塚)の仕事に改めて接近する試みである。言語と無意識との婚姻がすでになされ、極めてさまざまなやりかたで扱われたので、この婚姻がかれらにおいてまさに何であったのか、彼らにおいて、また彼らによって、その婚姻が何と結びつき、何を祝ったのかを探求しなければならない。

イベント情報

日時
2013年10月5日(土)~ 2013年11月17日(日)
11:00〜19:00(入館は18:45まで)
月曜日(祝日の場合火曜日休み)
場所
[中京区]
京都市立芸術大学ギャラリー@KCUA
〒604-0052 京都市中京区油小路通御池押油小路町238-1

http://www.kcua.ac.jp/gallery/access

料金
無料
URL
http://www.kcua.ac.jp/gallery/
問合せ先
京都市立芸術大学ギャラリー@KCUA 
TEL:075-253-1509
※内容は変更になる場合があります。詳細は各イベント主催者にお問い合わせください。
※チケットや申込みが必要なものは、売り切れあるいは定員に達している場合があります。ご了承ください。