2010年のKYOTO EXPERIMENTにも参加し、今や日本の現代演劇を牽引する存在となったチェルフィッチュ。今回が日本初演となる最新作『地面と床』は、盟友とも言えるバンド「サンガツ」とともに、初の、そして独自の「音楽劇」に挑む。舞台は、日本語がほとんど誰にも伝わらなくなった近未来の日本。言葉と故郷を失いつつある社会に生き、記憶と忘却の狭間で揺れ動く〈生者〉たちと、彼らを憂う〈死者〉の利害が対立する。演劇の新しい形式を探求することから、いかに演劇という装置を有効にアップデートするかの試みへ。チェルフィッチュは次の次元へ向かっている。
チェルフィッチュ『地面と床』