上野千紗は、日常生活の中でのフとした気付きを検証することによって、「世界の在り方の方程式」を表現するアーティストです。
自身の体内にある“赤色”である血液を鉛筆の芯にした「Type;A(2011)」、ラファエロの荘厳で崇高なる大作をダンボールで表現した「Disputation of the Holy Sacrament(2012)」。また、牧場や養豚場を訪ね、ある特定の牛、豚、鳥の生きている姿と食材としての姿を混在させたような「フロンティア【野田牧場】、No name 【今井養豚場】、No name 【出雲農林高校】(2013)」。これらアーティストの身体性を色濃く反映させつつ、モノ事の本質を問う表現にご注目ください。