"Dance Fanfare Kyoto"は、ダンス作品のクリエイションを通して、身体の可能性を探る実験の場です。
2012年2月に元・立誠小学校で開催された「We dance 京都2012」を足がかりに今回初開催として3日間で4企画を上演します。
今企画は運営スタッフとしてアーティストと若手制作者が企画を立ち上げ、
ジャンル・バックグラウンド・世代の境界を越えて、対話や情報の共有/交換、疑問を投げ合う場として、
次世代のダンサー、振付家、ダンス制作者の育成、アーティストの創造意欲とエネルギーの求心力で
関西のダンスシーンの活性化と共に舞台芸術のおける身体の可能性や広がりを目指します。
さまざまな条件・手法のもと、ダンスが立ち上がる瞬間をお見逃しなく!
PROGRAM 01 「lonely woman」
ダンスとは何か、何がダンスになるのか、動くことだけではなく、動かないこともダンスとして創作する経緯の中にこの「lonely woman」がある。【立ったその場所を動いてはならない】という制約の下、横一列に三人が立ち30分間のダンスを行い、その後、次の三人と交代する。ダンサー、美術家、詩人、音楽家、写真家など参加者は多分野に及び、ダンス経験のない人達もそれぞれの方法でダンスをつくりあげた。過去18回の上演が行われ、参加者は100人を越える。
PROGRAM 02 「演劇×ダンス」
『瓦礫』
瓦礫と身体はつねに磁石の同極のように反発し合うような感じがする。瓦礫を前に、もしくは物を目の前にしたとき、人の身体はすぐに内面に閉じこもる。瓦礫と身体は同化することがないし、もし同化する瞬間があるとすればそれはすごく疲れている時だろう。
2011年11月から2012年11月に東北で見た瓦礫からはそういう印象を受けて、今その瓦礫がどういう風にそこにあるのかは全く分からない。また行って見てみないと分からない。
『女3人集まるとこういうことになる』
「We dance 京都2012」における初演は、鑑賞者が自身の厳密な知覚のうちに、常に新鮮な物語を創造する力がはたらいていることにあらためて気づくきっかけとなったはずである。今回は再演ということなので、鑑賞者の創造には欲望がまとわり着くことになるだろう。私たちはその欲望に甘え、鑑賞者による再知覚の新創造を期待するのではなく、新知覚にもかかわらず再創造、という上演を発表する。
PROGRAM 03 「5'00"special program」
今回は5'00"special programということで、ダンスに特化し、参加アーティストには「5分という制約」に加え、schatzkammer的空間デザインのエッセンスと戯れてもらうべく、各会場にコピー用紙を色々な形に配置し、「美術の置かれた場という制約」を課します。時間と空間に縛りのある中で、どのような身体表現が可能なのか。若手からベテランまで、関西で活躍するアーティスト10組が繰り出す様々な5分をどうぞお楽しみください。
PROGRAM 04 「ねほりはほり」
『夢見る装置』
人は誰でも夢を見る。夢を見ている、ということは生きているということだ。 目が覚めた時、それは残像のように身体にこびりつき、はかなく消え、再び意識の奥に葬られる。この、極めて個人的で曖昧なものを記録し、他者の身体というメディアに定着させることで、そのイメージはもうひとつの[現実]として現れる。
『名前のないところから』
いわゆる「振り付け」作業では、踊り手のからだに動き出すきっかけを与えて、それを続ける動機を渡していくことをやったりする。それに踊り手がからだを動かされていくのだとすると、そういった変化を生む可能性は人以外のモノにも同じようにあると思う。きっかけや動機は人の手の中だけに納められるものじゃない。この世界にはあらゆるモノが存在している。空気さえもその一つ。その関係と、からだの存在を浮き上がらせてみる。
『式日』
上演時間。日常とは異なる場をしつらえ、人々の立ち会いのもと人が何かする。それは一体何か。今のための儀式 という言葉がうかんだ。即興であることにずっとこだわりがある。それはこの今への欲望があるからだ。今 と打ったこのときの今は、打ったそばからすり抜けて文字のかたちだけ残る。常に接していて流れていて実感がない。流れを塞き止めることはできないが、せめて起こっていることの只中に、今に触れる時間のために。
PROGRAM 05 「クロージングトーク」
司会進行 : 富田大介 (パフォーマー・美学者)
19:00-19:30 全体プログラムについて
トーク : きたまり (DanceFanfareKyoto発起人)
19:30-20:00 ねほりはほり企画について
トーク :高木貴久恵 | 西岡樹里 | 増田美佳 | 和田ながら (ねほりはほりディレクター)
20:00-20:30 演劇×ダンスについて
トーク : 筒井潤 | 村川拓也 | きたまり (演劇×ダンスディレクター)