ギャラリー・パルクでは、2013年7月9日[火]から7月21日[日]まで、土橋隆弘による個展「SHELL」を開催いたします。
土橋隆弘(つちはし・たかひろ/大阪・1966~)は、大阪デザイナー専門学校でガラスの基礎制作を学んだ後、1990年代より各地のガラス工房で研鑽を積みながら、様々なコンペで受賞を重ねるなど精力的な活動をおこなってきました。土橋はその後、2000年から株式会社黒壁(滋賀・長浜)の専属作家として活躍するとともに、多くの個展開催により広く作品を発表しており、独立した現在では滋賀県守山市に工房を構えて(2013年より)自身の表現をさらに錬磨すべく研鑽に励んでいます。
土橋にとって節目ともなる2013年に開催される本展では、生物の構造を取り入れ、そこに力強くも繊細な新たなイメージを具現化させた「Shell (シェル)~殻~」シリーズをはじめとする大型作品を中心に、日常使いの茶器や花器など、これまでの作品を一堂に展示いたします。
「心の中の英知と狂気、夢と現実との葛藤の狭間からイメージは生じる」とするその作品には、溶融したガラスの伸びやかさや透明感を活かしたものとともに、相反してガラスの特性を断ち切るかのような重厚な存在感を持つものも見られ、それぞれに土橋が内なる感情・精神・思想と向き合いながら、制作を為してきた様子が見てとれます。また、熱せられたガラスに向かう一瞬に凝縮された、多様な技術と柔軟な感性によって生み出されるその作品は、心地よい緊張感と広がるイメージを鑑賞者にもたらすかのようです。
「ガラス」の可能性に迫まった土橋の多彩な表現をご覧いただくとともに、身近でありながらその深淵を知る事の少ない世界をお楽しみください。
ステートメント
「Shell」という考え方
存在とは時として強さ、時として永続性について、またその影に内在する無情の儚さを私は、私の昨品に投影し繊細と神秘を表現しています。
心の中の英知と狂気、夢と現実との葛藤の狭間からイメージは生じ、その具現化が芸術を生み出すと考えています。 私は自分自身の内に在る様々な感情・精神・思想を素材に通して、作品の中に表現していきたいと思っています。
土橋隆弘