東京を拠点に活動するグラフィックデザイナー、佐藤卓氏が手掛けるデザインの領域は、パッケージデザイン、ロゴデザインにとどまらず、教育番組のディレクションや21_21 DESIGN SITEのディレクター等、実に多岐にわたっています。80年代よりさまざまなメディアを駆使して、人々に情報を伝達することを専門とした活動を行なってきました。
今回の企画展は、佐藤氏の仕事に焦点をあてた内容としては京都初の試みであり、当学エントランスラウンジのために考案した新作を発表します。
テーマは、「畳」。人間が創造するモノは、すべてデザインされたものであると言え、また、人間の心はそのデザインされた色や形に常に影響を受けているとも言えます。本学は、心というものが社会をつくるという前提に立つとき、その心が豊かに育つ環境が大切であると考えています。
佐藤卓展「ご自由に上がってお使いください。」では、人々に使われることによって初めて成立するプラットホームのような場所となることを目指し、畳を用いた展示を計画しています。ここでは、心を豊かにするデザインに数多く関わられている佐藤氏の考え方、つまりモノは「常に使われること」によって初めて成立するということを展示空間と体験する時間を通して感じることができます。