深淵に沈み、また浮かぶ恋
激動する世界で、いまを問い直す「桜姫」
木ノ下歌舞伎、あの『桜姫東文章』に挑む。
木ノ下歌舞伎の新作公演。約5年ぶりに新しい演出家を招き新作を発表します。新たな演出家は、国内外で活躍し、近年の能の翻訳や能の形式での新作の上演などにも意欲的に取り組む、岡田利規(チェルフィッチュ)。木ノ下裕一監修・補綴のもと、岡田利規書き下ろしの上演台本で、数々の演出家が手がけてきた鶴屋南北の代表作『桜姫東文章』に挑みます。
世界が激動し、社会の価値観も変わりゆく時代に、禁断の恋と零落の物語はいかに〈更新〉されるのか。豪華キャスト&スタッフを迎え、木ノ下歌舞伎ならではの〈新〉境地でお届けします。
スタッフ・キャスト
作:鶴屋南北
監修・補綴:木ノ下裕一
脚本・演出:岡田利規
出演:成河、石橋静河、高山のえみ、武谷公雄、足立智充、谷山知宏、森田真和、板橋優里、安部萌、石倉来輝
サウンドデザイン:荒木優光
美術:稲田美智子
照明:吉本有輝子
音響:甲田徹
衣裳:藤谷香子
補綴助手:稲垣貴俊
演出助手:中村未希
演出部:湯山千景
舞台監督:大鹿展明
宣伝美術:外山央
宣伝写真:吉次史成
宣伝衣裳:藤谷香子
宣伝ヘアメイク:国府田圭(成河)、須山智未(石橋静河)
宣伝衣裳協力:PHBLIC×KAZUI、大野知英
制作:本郷麻衣、堀朝美、大蔵麻月
あらすじ
新清水寺の高僧・清玄には、若い頃、稚児・白菊丸との心中に失敗した過去があった。その十七年後、吉田家の息女・桜姫が尼になるため新清水寺にやってくる。父と弟を殺され、家宝を失った桜姫は、生来開かない左手を前世の罪ゆえと考えて出家を決意していたのだ。
そこで桜姫が再会したのは、かつて自分を犯した盗賊・釣鐘権助だった。権助の子を産んでいた桜姫は、出家を翻意して権助と交わる。しかしその結果、桜姫の不義の相手として、権助ではなく清玄が無実の罪で告発されてしまった。追放された清玄は、桜姫こそ白菊丸の生まれ変わりだと確信。ところが桜姫はつれなく、ついには誤って清玄を殺してしまう。
変転の末に女郎となった桜姫には、夜ごと枕元に清玄の幽霊が立つという噂が立った。ある夜、清玄の幽霊が桜姫の前に現れ…。