一度として同じかたちにならない、行為と場のクリエーション
ヴァン クリーフ&アーペルによるプログラム「Dance Reflections」と、KYOTO EXPERIMENTのコラボレーションプロジェクトが始動。初年度となる今回は、世界的に注目されるアーティスト、ティノ・セーガルによる『これはあなた』(2006年初演)を日本初披露する。(本作に加え、ポストモダンダンスの源流とその継承について紐解くビデオダンス企画とトークも開催期間中に京都市京セラ美術館で開催予定)
セーガルは、絵画や彫刻のような“もの”をつくるのではなく、ある“指示”をインタープリター=翻訳者と呼ばれる参加者に出し、それが訪れる人たちの前で実行され体験が立ち上がる、ということを自⾝の創作としている。そのため、セーガルの作品は写真や映像で記録されることがなく、その場でしか見ることができない。
『これはあなた』は、京都市京セラ美術館の日本庭園が舞台。ここでは、翻訳者が歌い手となって、開かれた庭園を訪れる人たちと1対1で向き合い、その人の姿、印象を、とびきり気さくに、親密なかたちで翻訳し伝えてくれる。それは、そのときその場所でしか得られない、はかなくも記憶に残る体験となるだろう。
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☞関連企画
ティノ・セーガル『これはあなた』に加え、ポストモダンダンスの源流とその継承について紐解くビデオダンス上映とトークを、期間中に京都市京セラ美術館で開催します。
①フォーエバーポストモダンダンス
イヴォンヌ・レイナー個人蔵の「Trio A、旗とともに」を本邦初公開!
一日目は「フォーエバーポストモダンダンス」と銘打って米国ポストモダンダンスの魅力をお話しします。ポストモダンダンスを代表するNYジャドソン教会派のメンバーの初期の代表作に加え、彼らに影響を与えた振付家マース・カニングハムと作曲家ジョン・ケージの作品を上映します。ベトナム戦争や検閲など1960、70年代当時の状況を踏まえつつ、KYOTO EXPERIMENTで紹介された作品の、近年の展開を振り返ります。ダンスと映像の関係に焦点をあてながら、実験的な試みであったポストモダンダンスが、なぜいまも語り続けられるのか、その魅力を紹介します。
日程:10.2(日)
11:30–12:30 映像上映
12:40–14:10 トーク
②ポストモダンダンスとビジュアルアーツ
ダンスがビジュアルアーツに最も近付いた時期であるポストモダンダンスは、今も多くの人々にとって「コンテンポラリー」につながる参照項として重要な意味を持ち続けています。二日目はポストモダンダンスに参加した美術家の作品を紹介しながら、ポストモダンダンスと現代アートとの接点を探ります 。
日程:10.21(金)
18:00–19:00 映像上映
19:10–20:40 トーク
関連企画会場:京都市京セラ美術館 講演室
参加無料(要事前予約)
Tino Sehgal in Piazza Maggiore, in occasione di ART CITY Bologna 2022, foto di Ornella De Carlo, Courtesy MAMbo – Museo d’Arte Moderna di Bologna