2021年度川島テキスタイルスクールの学生による修了作品を展示します。見どころはテキスタイルの多彩さ。タペストリーやラグ、ファッション(服地)、着物、帯、インテリアファブリックなど幅広くご覧いただけます。
専門コース本科生(1年次)の作品は、グループによる綴織タペストリーをはじめ、個人制作による絣のタペストリー、組織のラグ、ノッティングのラグなど。昨春に入学し、布がどのように作られるかを知るところから始め、様々な素材に触れ、デザイン力と技術を身につけた基盤の年。密度の高い実習を重ね、一年でこれだけできるようになるという成長の証が形となります。
専門コース専攻科生(2年次)の作品は、絣の着物、服地、インテリアファブリック。難しい素材や技法を試して表現の幅を広げ、企画からプロセスを大事に制作してきた二年目の着実な歩みが作品に表れます。技術研修コースからは、絣の技法を使った帯。初めて帯の制作に挑戦した学生によるもので、作り手の人生にも重なるデザインの味わいがあります。今年度に新設したウィークリークラスからは、オリジナルデザインの日傘が登場します。
それぞれが織りに没頭し、自分と向き合って、試行錯誤を繰り返しながら制作に励んだ一年の集大成が、作品となって芽吹きます。織物の魅力あふれる作品の数々に、どうぞ会いにきてください。
●川島テキスタイルスクールとは?
(株)川島織物(現・川島織物セルコン)が創業130周年の記念事業で設立・開校した学校です。京都で手織りを主体に染織を教えており、基礎から専門技術まで幅広く学べるコースを用意。特徴は少人数制で、実習を中心とした密度の高い授業であること。確かな技術と表現力を基盤に、一人ひとりが持っているセンスを生かして創造性を高め、美しい織物を作ることを大切にしています。開校当初から国際的に門戸を開き、国内外から様々な世代の、織物を学びたい意欲のある人たちが集います。京都駅から公共交通機関で1時間程度の距離にありながら、山あいの自然豊かな環境で、創造的なものづくりに集中することができます。
コースは、染織技術とデザインを基礎から学び、将来自立して創作できることを目指して1年ごとにスキルを深めていく「専門コース」、テーマと期間を決めて、組織や素材の研究から制作までを行う「技術研修コース」、英語で授業を行う「留学生コース」、織りを始めたい方が週末にかけて学べる「ウィークエンドクラス 暮らしの織り」、手織りの基本・組織・綴・手紡ぎ糸づくり・染色(天然・化学)など短期間(1〜10日間)で一つの技法を習得する「ワークショップ」があります。