京都市京セラ美術館開館1周年記念「モダン建築の京都」展関連プログラムとして、建築をテーマに据えた映画上映やトーク、京都市内の各所にて初開催します。今回は日本初上映の海外短編映画などまで、特にモダンムーブメント(近代建築運動)を哲学、 文学、音楽、映画から読み解きます。また、「モダン建築の京都」展と映画鑑賞チケットの相互割引を実施し、建築におけるモダニズムについてより深く、幅広く触れる機会となるでしょう。
11月27日<Aプロ>
『軽蔑』
1963年/フランス=イタリア=アメリカ/102分/デジタル
監督:ジャン=リュック・ゴダール
出演:ブリジット・バルドー、ミシェル・ピコリ、ジャック・パランス、フリッツ・ラング
カプリ島にてフリッツ・ラングの監督する大作映画『オデュッセイア』の撮影が行われている。ポールは脚本の手直しを命じられ、カプリ島にあるプロコシュの別荘、マラパルテ邸に妻カミーユとともに招かれる。ふたりの間に漂う倦怠感は、やがて夫婦関係の破綻を導き、思いがけない悲劇を生む…。
11月27日<Bプロ>
“TOKYO RIDE” *日本初上映
2020年/フランス/90分/デジタル *日本語字幕なし/オリジナル言語:英語
監督:イラ・ベカ+ルイーズ・ルモワンヌ
出演:西沢立衛、妹島和世
11月28日<Cプロ>
『ミース・オン・シーン』『中立性のフィールド』上映+レクチャー:渋谷哲也(ドイツ映画研究、日本大学文理学部教授)
『ミース・オン・シーン』
2018年/スペイン/58分/デジタル
監督:ペップ・マルティン、シャビ・カンプレシオス
出演:ルートヴィヒ・ミース・ファン・デル・ローエ、フリッツ・ノイマイヤー、エドゥアルド・メンドーサ、バリー・バーグドール、オリオル・ボイーガス
ミース・ファン・デル・ローエの代表作であり、建築史を永遠に変えたともいわれるバルセロナ・パビリオン。1929年に建設され1年も満たずに解体、そして1986年に復元されたパビリオンは、いまだ謎と神話に包まれている。当時の記録や建築家などの証言で考察するドキュメンタリー。
『中立性のフィールド』*日本初上映
2019年/ドイツ/32分/デジタル
監督:ダニ・ガル
出演:ミーガン・ゲイ ヴァルター・ゴンターマン
バウハウス100周年に際し、建築家ミース・ファン・デル・ローエが晩年にテレビ番組に出演した体裁で作られたモキュメンタリー。話題の中心は最後の校長としてバウハウス閉校に至った経緯であり、芸術家がナチスや共産主義者との確執において政治的に中立のポジションを取る意味とそのモラルの問題である(渋谷哲也)。
11月28日<Dプロ>
『ヴァンダの部屋』
2000年/ポルトガル=ドイツ=フランス/180分/35mm
監督・脚本・撮影:ペドロ・コスタ
出演:ヴァンダ・ドゥアルテ、ジタ・ドゥアルテ、レナ・ドゥアルテ
ポルトガルの移民街に住む一人の女性の部屋を中心に、再開発のために取り壊されようとしているスラム街に暮らす人々の日常を赤裸々に捉えた衝撃のドキュメンタリー。過酷にして絶望的な状況を、無駄な動きを排した絵画のような美しい映像で綴っていく。
■京都建築映像祭2021 概要
主催:京都建築映像祭 2021 実行委員会(Echelleー1、Espace Le Corbusier 他)
共催:京都府京都文化博物館
協力:京都市京セラ美術館、アンスティチュ・フランセ日本
後援:日本建築設計学会
企画協力:ヴュッター公園