Gallery PARC[グランマーブル ギャラリー・パルク]では、2017年2月21日[火]から3月5日[日]まで、「 きょうの壺 プレミアム:田中奈津子 展 」を開催いたします。
2007年に京都市立芸術大学大学院美術研究科絵画専攻を修了した田中奈津子(たなか・なつこ/ 福岡・1981~)は、在学中より個展やグループ展などに取り組むなど、現在までに精力的に制作・発表活動を続けています。
当初、身近な日常の中で不意に得たイメージを膨らませ、それらをモチーフに絵画・版画のテクニックを組み合わせた絵画制作を続けていた田中は、2015年より包装紙や広告・カレンダー等を素材として、毎日「壺」の絵を描くことに取り組み始めます。
初期には壺を「描く」意識、絵画としての画面づくりへの意識が強く、また、スピード感を得るためにおもにコラージュ技法を多用していた制作は、次第に筆や手で描いただけの日、自身の作品の切れ端や準備した素材を用いた日、細かなコラージュを重ねた日、ボールペンで走り描いた日など、技法や素材を限定しないものとなり、描かれた画面にはその日その日の変化が多様に現れるようになります。
自身の感性にのみ頼るのではなく、五感、記憶や経験、感情や体調、身体や道具、時間などのあらゆる要素を手がかりに続けられた「きょうの壺」の制作は、田中にとっていつしか自由を封じる制約ではなく、自分自身にかかっていた制約を検証する機会として、あるいは自身を支える「芯」のようなものとして位置付けられることとなります。
本展では2016年12月半ばから年越しの一ヶ月に渡って、田中が毎日「絵画をした」痕跡である、壺の絵を展示いたします。
《ステートメント》
年越しの一ヶ月間、毎日壺の絵を描き続けます。
過去の作品、頂き物の包装紙、印刷物、事前に用意したドローイング、
ストロークの切れ端、それらを切ったり貼ったり、またその上に描いてみたり、剥がしてみたり。
壺は、それらの待ち合わせの場所であり、世界を開く鍵穴であり、
毎日の輪郭であり、わたしの体でもあります。
「そこ」はいつでも「ここ」になるから、今すぐここで、絵画する。
一度しかない今日という日に出会う、思い出の絵画達の展覧会。
田中 奈津子
*「きょうの壺 プレミアム:田中 奈津子」 の詳細については下記よりご覧ください。
http://www.galleryparc.com/exhibition/exhibition_2017/2017_02_21-tanaka.html