「飾ることしか出来ない器」
素材が木であるが故に水に弱いし、時間が経てばひび割れしたり歪んだりと多少変形する。
何を受け止めるでも無く、ただ飾る事しかできない器。
光に満ちている。影に覆われる。音に包み込まれる。 実態が無い物事を容包する表現はいくつもあります。
しかし、この「器」でなら実態が無いものを入れる事ができる。
光や影、望みや祈りを満たす事ができる。覆う事ができる。包み込む事ができる。中村文治
作品は大木から切り出し、削り出し、手彫りで薄い器状の作品を創りだす彫刻を中心とする現代美術作家である。現在は生まれ故郷でもある日本海を望む新潟県のアトリエで制作中。
その作品の表面は銀箔・錫箔・岩絵の具・アクリル絵の具等で彩色されながらも、木肌は命の歴史と息遣いを見る者に感じさせ、その完成度は年々高くなり、繊細さを加えて「中村文治の世界」を発展させ続けています。
今回は立体のモチーフから発想した平面作品も発表します。